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平成29年度                                                            三ツ池公園の植物へ
12月4日(日)
メタセコイア 枯れて死んでしまったジュウガツザクラ シュゼンジカンザクラの冬芽 ソメイヨシノの冬芽 フユザクラ

カンザクラ
12月4日(日)
 

 今日はいい天気になった。一昨日、岸根公園へ行ったばかりだが、続けて三ツ池公園へ行く気になった。先日、メタセコイアの写真が撮れなかったし、また、ヨシの穂を見直したいと思っていた。

   

 南門の入り口にメタセコイアがある。大きな樹で、上へ上へと伸びている。太陽の日が強いせいか、眩しさで、写真は鮮明さが失われてしまった。見上げると、ほぼ全体が茶褐色に染まっている。なかなか見応えがある。公園の中には、また別のところにメタセコイアがある。そこへ行ったら、もう1度撮り直してみたい。

 

 南門を入ったところにジュウガツザクラがある。しかし、このジュウガツザクラは枯れて死んでしまったようだ。昨年花を付けず、今年は何時まで経っても葉を付けなかった。ジュウガツザクラの名前はこの樹から教わったので、残念だ。また来年も葉をつけないことになるだろう。

 

 噴水のところに、シュゼンジカンザクラがある。昨年、この樹に名札がつけられた。シュゼンジカンザクラはカンヒザクラとオオシマザクラからつくられたという。カンヒザクラは赤色、オオシマザクラは白色、この花はやや赤みがかっていた。カンヒザクラの形質が出てきているものと思われる。冬芽は、中央付近がよく膨らんでいる。芽鱗には殆ど毛が無いようだ。この点はカンヒザクラ、オオシマザクラとも共通している。大きさを計測すると、長さ6㎜、幅3㎜でまだ小さい。

  

 参照:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1679.html

 

 シュゼンジカンザクラの向かい側に大きなソメイヨシノがある。花が咲いたときは枝が横へ長く伸びているので、豪華な光景になる。「思わず、綺麗だなぁ」と言葉が出てくる。花の綺麗さに比べると、冬芽は芽鱗にたくさん毛があるので、対照的で、見栄えが悪い。

 

 先日、撮影したフユザクラとカンザクラが混乱していたので、確認した。カンザクラ、フユザクラとも2本ずつあるが、カンザクラには花がなかった。先日撮影したサクラはフユザクラで間違いなかったことが分かった。

 

 1つの疑問が解決でき、ほっとして元の位置へ戻り始めると、上の池の傍に小さなカンザクラの樹が1本あり、2輪の花が咲いていた。カンザクラはカンヒザクラとヤマザクラの雑種と言われ、赤みがかった花を咲かせる。花を見ると、赤みがかっていることが確認できる。フユザクラとカンザクラの両方を見ることによって、混乱していたことがすっきりした。

撮影:12月2日

 記  平成28年12月2日(金)

12月5日(月)
ケヤキ ヒノキの葉の裏 サンゴジュの葉 サンゴジュの幹 ジュウガツザクラ

カツラとイチョウ カエデの黄葉と紅葉

12月5日(月)
 

 今日は、フユザクラとカンザクラを1度に見ることが出来、幸先の良いスタートとなった。これから上の池の周りから見ることにする。

   

 ケヤキの葉も大分枯れ出したが、目の前のケヤキにはまだ葉が沢山残っている。葉の様子を見ると、大分乾ききているようで、萎れていることが分かる。強い風でも吹けば落ちてしまいそうだ。次回来たときには、恐らく残っていないことだろう。

   

 右にトチノキを見て進むと、左にサワラと思っていた樹が数本現れてきた。過去の記録帳は持っていないし、記憶がはっきりしない。葉の裏の写真を撮ってみた。白色の気孔線がY形になっている。すると、この樹はヒノキになる。記憶違いだろうか。

   

 上の池と中ノ池の境界へやって来た。中の池側にジュウガツザクラがある。花を見ようとすると、そこに高校生が沢山いた。近くの高校の生徒で、長距離走の授業らしいことが分かった。高校生が移動するまで、上の池側の角の樹を見ていた。その時、ある樹の葉を見て、「これは何の樹だったろうか」と躓いてしまった。名前が思い浮かんでこない。葉を見ると、タブノキによく似ているが、幹を見ると、薄い褐色でごつごつしている。タブノキとは違う。暫く考えていると、サンゴジュの名前が出てきた。樹の周りを見直すと、名札がかかっていて、サンゴジュと書かれていた。やはり「サンゴジュだったか」と思いを新たにした。

   

 高校生が移動したので、ジュウガツザクラを見ることが出来るようになった。花の数は少し増えた気がする。白色のヤエザクラと分かる。ジュウガツザクラは「エドヒガンの系列でコヒガンの雑種とされている」という説明が多い。この説明だと、花に赤みがあってもいいが、この花には赤味がない。

   

 イチョウは大分葉を落とし、臭いも少なくなった。カツラの樹には葉は1枚もない。幹を見ていたのではイチョウとの区別がつかなくなってきた。冬芽を見て、カツラの樹と確認した。先日、後ろのカエデの景色が綺麗だったので、再び撮影した。赤いカエデは、色が大分褪せてきて、新鮮さがなくなってきた。左に見える黄色い葉は何樹だろうかと、近くへ行き確認した。すると、思った通りカエであった。カエデも赤、黄色と染まり方が樹によって大分違うようだ。

 

撮影:12月2日(金)

 記 平成28年12月3日(土)

12月6日(火)
真っ赤に染まったカエデ 中の池の風景 キンクロハジロ メタセコイア:左はシラ カシ ツツジ

カエデの紅葉 大きなコウテイダリアがったところ

12月6日(火)
 

 緩やかな坂を上りきると、正面に真っ赤に染まったカエデが見えてきた。先に来た人が「綺麗だ」と言って写真を撮っていた。つられた訳ではないが、写真に収めた。正面の緑はスダジイである。

   

 花の広場へ近づいた。ここから望む中の池はこの公園の景勝地の1つになる。対岸の紅葉を見、水面を泳ぐカモを見ていると、時の経つのを忘れる。

 

 カモが近づいて来た。頭が黒く、目が黄色い。これはキンクロハジロである。池を見るとこのキンクロハジロが結構いる。キンクロハジロは、日本で冬を過ごす冬鳥だという。

   

 メタセコイアの大きな樹が見える。両端の緑の樹はシラカシになる。メタセコイアは、入口で撮った写真よりはこちらの方が多少鮮明である。メタセコイアは、昭和天皇が愛した樹と言われている。昭和天皇はこの樹にアケボノスギと名前を付けたそうだ。スギと名前がつく通り、アケボノスギはスギの仲間である。

   

 花の広場へ入ったところで「おやっ」と思った。この白い花はツツジに間違いない。陽気が温かくなると、樹木も季節を間違えるようだ。1輪、2輪でなく、こんなに間違えているとは不思議な現象である。

   

 カツラの並木の横に赤いカエデがある。この時期、毎年このカエデの紅葉を楽しんでいる。今も真っ赤に燃えるような光景をしている。この斜面には何本かの赤くなったカエデが見られる。

   

 さらに奥へ進むとコウテイダリアがある。大きな花を楽しみに近づいたところ、変わり果て場所に吃驚した。あの大きなコウテイダリアは姿、形もない。キバナコスモスの残骸もない。一帯は全てが掘り起 こされ、新しいものを植える準備がされていた。綺麗にするのもいいが・・・・と思った。今は後ろにあるサザンカが遠くからも見えるようになった。

 

撮影:12月2日 

 記  平成28年12月3日(土)

12月7日(水)
コナラ ヒメシャラの冬芽 リョウブの冬芽 リョウブの芽生え アカメガシワの冬芽

モミジバスズカケノキの冬芽

12月7日(水)
 

 コウテイダリアを見ることが出来ず、残念な思いをしながら花の広場を出ていくことになった。広場では2組の親子連れが楽しそうに遊んでいる。  正面に枝を縦横に大きく伸ばし、褐色になった樹があった。コナラの樹である。傍で見ると、それほど見栄えがあるようには思えないが、自然の背景の中で見ると、見違えて見えるようになってくる。

   

 コナラの奥へ行くと、ヒメシャラの樹がある。ヒメシャラとナツツバキをよく間違える。「この樹はどっちだったか」と改めて考えると、また迷ってきた。冬芽を見ると、芽鱗の枚数が多い。この結果、この樹はヒメシャラになると落ち着いた。

   

 後ろの丘へ上った。この丘を「リョウブの丘」と勝手に呼んでいる。名付けたように、この丘には、リョウブの樹が下から上までたくさんある。この冬芽も興味深い姿をしている。 帽子の様なものは芽鱗で、リョウブの芽鱗は直ぐ剥がれ、裸芽で過ごす時間が長いという。剥がれようとしている芽鱗との間に小さな虫がいるようだ。

   

 別のリョウブの冬芽を見ると、頂芽は芽鱗がなくなっている。側芽を見ると、中に緑色のものが見える。芽鱗が剥げ始めて、中の幼葉が出始めたようだ。偶然珍しい写真が撮れた。

   

 里の広場へ行き、アカメガシワを見た。先日1度見たが、冬芽の形がよく分からなかった。この冬芽は裸芽で、星状毛が沢山付いているという。実際に見ると、 沢山の毛で覆われているので、その毛が星状毛と分かるが、しかし、どこからどこまでが1つの冬芽になっているのか捉えられない。両端にある丸いものは副芽と思うが、さらに時間の経過後、見直した方がよさそうだ。

   

 石碑の広場へ行く途中にモミジバスズカケノキがある。夏ごろは枝を道まで突き出すので、葉などが見やすかった。しかし、今はかなり剪定されてしまったので、冬芽などが見難くなっている。 「何とかならないものかなぁ」と樹を見回すと、奥の方に低い枝が伸びていた。あの枝なら冬芽が見られるかもしれないと思い、奥へまわった。 冬芽が手に届いたので接写写真が撮れた。この冬芽は葉柄内芽と言われ、葉が落ちた後に顔を出す。1個の芽鱗に包まれているといわれるが、写真は芽鱗が剥がれたものかもしれない。つづく

 

撮影:12月2日  

 記  平成28年12月3日(土)

12月8日(木)
サザンカ ドウダンツツジ 整備された花壇 コウテイダリア マルバマンサクがあったところ

12月8日(木)
 

 今、サザンカが色々な所で咲いている。赤、白、ピンクと綺麗である。三ツ池公園でも色々な所で見ることができる。ここはタチカンツバキの標識があるところである。 見ているのは、ツバキでなく、サザンカである。これだけ大きなサザンカの株だと、自然と目が引き寄せられる。白色の美しさが何とも言えない。

 

 直ぐ傍にドウダンツツジがある。ドウダンツツジは細い道沿いに植えられている。真っ赤に染まっている紅葉の姿は、カエデの紅葉とともに美しい。

  

 ここは、いこいの広場である。ここにはヤマザクラの樹が何本かある。最近、ここの奥に新しく花壇が整備された。今日、奥へ入ってみると、先程見たかったコウテイダリアが数列に植えられていた。 花の少ない時期に咲くだけに、見事さがある。先程見たかったコウテイダリアはここのどれよりも数倍大きな株であった。

  

 テニスコートの向こうにマルバマンサクがある。この樹もいつも見ている樹である。 ところがテニスコートへ来たとき、吃驚した光景が広がっていた。マルバマンサクのあった一画がそっくりなくなっていた。「何ということだ」と思った。先程、コウテイダリアが無くなっている場面も見てきた。自然には余り手を付けてほしくないものである。

 

 つづく

 

撮影:12月2日 

 記  平成28年12月3日(土)

12月9日(金)
ムラサキシキブ ムラサキシキブの冬芽 ブンゴウメの冬芽 ネコヤナギの冬芽 蕾が出て来たサンシュユ

12月9日(金)

 コリア庭園の横の藪に入ったところにムラサキシキブの樹が何本かある。藪に入りかけた時、「もう冬芽が目立ってきてもおかしくない」と思っていたのだが、ムラサキシキブの冬芽が目に入ってこなかった。 ムラサキシキブの樹を見ると、未だ葉が沢山付いている。葉をかき分けてみると、冬芽は見えてきた。冬芽は裸芽で星状毛が多い。大きさを計測すると、長さ8㎜、幅1.5㎜と小さかった。この冬芽には短い柄がある。

 

 コリア庭園の入り口にブンゴウメがある。この花を見た時、萼が反り返っていたので、アンズと思った。 ところが、「ブンゴウメ」と記名されていた。アンズとどこが違うのか、疑問のまま残されている。冬芽は葉腋に複数付いている。小さいが、ふっくらとしているところは普通のウメと変わりがない。大きさを計測すると、 長さ2㎜、幅1㎜程である。近く、アンズの冬芽を見て比べてみたい。

 パークセンターの前にある沼地のヨシを見に向かった。今日はこのヨシの穂を見直すつもりでいた。沼へ着くと、ヨシは根元から刈られ、 1本の穂もなかった。この光景を見て、がっかりした。仕方なく、同じところにあるネコヤナギの様子を見ることにした。冬芽は赤い芽鱗に包まれていて、大きな変化は見られなかった。大きさを計測してみると、 長さ1.3㎝、幅7㎜であった。大きく見えるが計測すると見かけより小さい。

 

 先日、冬芽が開きかけていたサンシュユをもう1度見ると、開きかけている冬芽は先日よりも多くなっていた。 中の黄色い蕾がそっくり出てきているものもある。もう間もなくこの蕾は開きそうだ。

 

 水田の向こう側にコウバイとハクバイが1本ずつある。今年の2月、コウバイが先に咲き、 3月3日にハクバイが続いて咲き出した。ハクバイが咲き出した時にはコウバイは花を終えていた。冬芽に違いがあるかと見たが、違いは殆ど分からなかった。大きさは長さ4㎜、幅2㎜と、どちらも同じだった。拡大写真を見ると、コウバイの方が、丸味があり、ハクバイは先が尖っているように見える。コウバイの方が早く咲くせいか、一足早く丸みを帯びているのかもしれない。

 

撮影:12月2日

 記  平成28年12月5日(月)

12月10日(土)
サンショウ サンショウの葉 シダレザクラの冬芽 赤いサザンカ オトメツバキ

12月10日(土)

 パークセンター広場から山道を上り、丘の上広場を目指した。少し上り始めると、左下に薄い黄緑色の小さな葉が見えてきた。余り見かけない葉である。サンショウの気がするが、サンショウは記憶に残っていない。葉は奇数羽状複葉で、小葉の大きさを計測すると、長さ3㎝、幅1.5㎝と小さい。図鑑で調べていくとサンショウでいいようだ。

   

 丘の上広場には大きなシダレザクラがある。シダレザクラは花の時期が他のサクラの開花時と違うので、このところ花の開花時期を逃してしまっている。このシダレザクラは萼筒に膨らみがあるエドヒガン系である。冬芽は枝からわずかに離れているが、枝に沿うようについている。この点は他のシダレザクラの冬芽のつき方に共通している。冬芽は、ソメイヨシノに似て芽鱗に毛がある。

 

 シダレザクラの樹の横を見ると、そこには赤いサザンカの大きな株があった。先程もサザンカは見てきている。サザンカは今が最盛期のようだ。どのサザンカを見ても、花はみずみずしく映えている。この赤いサザンカもみずみずしく綺麗だ。

 

 ヤブツバキが咲き出したとの情報を知り、山を上がって来たことを思い出した。ヤブツバキが咲き出したなら、ひょっとしたらオトメツバキも咲き出したかもしれないと思った。そこでオトメツバキのところへ戻った。見ると、たった1輪が咲いていた。八重になっているので、雄しべや雌しべの姿は見えない。

 

 次は、ヤブツバキの番になる。この道を真っ直ぐ進むとヤブツバキは左側に見えてくる。探しながら進むと、シロヤブツバキが見つかった。名前のように白色のツバキである。おしべが筒のように纏まっている。サザンカとの違いが分かる。紅い方のヤブツバキの花はなかった。

 

 「この葉は何の樹かなぁ!」と葉を見た。最初、スダジイに見えたが、葉の裏を見ると、褐色でないのでスダジイとは違う。さらに葉の表面を見ると、3脈が目立つ。すると、「シロダモかヤブニッケイか・・・」と考えてみた。「いずれとも 違う」気がする。膨らみのある冬芽を見た時、「ああ、これはクスノキではないか」と、やっと気が付いた。

 

撮影:12月2日

 記  平成28年12月5日(月)

12月11日(日)
ヤマナラシの黄葉 ヤマナラシの冬芽 ヒメシャラとナツツバキ:区別が難しい ヒメシャラの冬芽 ナツツバキの冬芽

ヒメシャラの幹 ナツツバキの幹

12月11日(日)
 

 丘の上の広場で、エノキと思って撮影した樹がある。整理していると、葉は似ているが、冬芽が枝に沢山付いている。その写真を見て、これは明らかにエノキではないと思った。エノキには、こんなに沢山冬芽はついていないし、これほど大きくはない。エノキでないとすると、この樹は何になるのだろうか。インタネットの「樹には名前がある」で検索していくと、「ヤマナラシ」が候補として挙がってきた。更に、「松江の植物」をはじめ他の資料で、ヤマナラシを調べて見ると、葉の表面の基部に腺がある点など分かり、この樹はヤマナラシらしいことが分かってきた。 

     

 参照:http://www.tree-watching.info/kensaku/1t/kensakuA0.html

    

 参照:http://www.tree-watching.info/kensaku/1t/kensakuA0.html

    

 左に冒険の森を見て坂を下りると、南門へ通じている。ここの坂の途中にはヒメシャラとナツツバキがある。花が咲くころならば、ナツツバキの花がひと回り大きいので、区別が容易であるが、いまは、両方がよく似ているので、区別が難しい。

    

 先程、花の広場の丘で、ヒメシャラを確認した。ヒメシャラの冬芽はナツツバキより芽鱗の枚数が多いので、芽鱗の枚数を調べれば、2つの区別はつく。

    

 ヒメシャラの幹の肌は、赤褐色で、縮れたように樹皮が薄く剥がれる。そして、剥がれた跡は赤褐色の滑らかな樹皮となっている。それに対し、ナツツバキの幹の肌は、灰緑色で、紙のように剥がれる。縮れる剝げ方はしない。剥がれた跡は褐色の滑らかな樹皮となる。剥がれ方と、剥がれた跡の樹皮の色を見ても、2つの区別はつく。

 

撮影:12月2日

 記  平成28 年12月6日(月)

12月27日(火)
ヤマナラシか? エノキの葉 メタセコイア 花を咲かせなくなったジュウガツザクラ 丘の上広場へ向かう坂道

奥の2本がヒメシャラ、手前がナツツバキ

12月27日(火)
 

 先日見たヤマナラシについてまだ確信が持てないので、再度、確認するために三ツ池公園へ向かった。何時ものように南門から入り、丘の上広場へ上がって行った。さて、「ヤマナラシがどこにあったか」考えると、位置をしっかり記録していなかったので、迷うことになってしまった。近くに、シダレザクラがあり、サザンカがあった。しかも、ヤマナラシは黄葉していて、冬芽が沢山付いていた。このことを念頭に、探してみたが見当たらない。 一寸奥まったところに、ヤマナラシらしきものが見つかった。しかし、記憶が曖昧で、確信もてない。エノキの葉に似ていた記憶があったので、似ていると思い近付いてみた。目当ての冬芽を探したが、先日見た沢山かたまっている冬芽の姿はどこにもなかった。「この樹はヤマナラシではなく、エノキになる」と判断した。

   

 やはり場所が違っていたようだ。カメラに画像が保存されていることを思い出し、カメラのスイッチを入れた。そして、画像を見ようとした時、とんでもないことが起こっていた。カメラから今までのデータがなくなっている。DCIMフォルダーの中は先程撮ってきたものだけである。これでは、先日の場所を特定できない。今日の目的が果たせなくなってしまった。 

   

 仕方なく、今日は別のことを考えた。今まで個々の樹木等を追いかけてきたが、これらの樹木の分布図をつくってみようと思いついた。そのために、振出しの南門へ戻った。 南門を入ると、右側にジュウガツザクラがある。しかし、昨年からこのサクラは葉や花を付けなくなってしまった。入口の道を挟み、メタセコイアやイチョウの大きな樹木が茂っている。

   

 再び、丘の上広場へ向かい坂道を上って行った。左側の斜面はケヤキの広場になっていて、ケヤキが沢山植えられている。右側の奥はイチョウ、マツなどの大きな樹があり、手前には、カジイチゴやヤブランなどが咲く。  

 ここを少し上ると、右側にナツツバキ1本、ヒメシャラが2本現れてくる。この二つは花も冬芽もよく似ている。花はナツツバキの方がひとまわり大きいので、花の時期は、この二つを見間違えることはない。いまの時期の姿だと、2つの区別は難しくなる。冬芽の外側の芽鱗の枚数を調べると、この枚数はヒメシャラの方が多いので、2つの違いを知る手掛かりになる。また、木肌を調べるのも1つの手掛かりになる。

 

撮影:12月23日等

 記  平成28年12月25日(日)

12月28日(水)
坂を上がったところの正面 坂を上がったところの左側 坂を上り、平坦になったところ イチョウとスダジイ 正面:クスノキ  右側:モッコクとヤブツバキ

左側:サクラとホオノキ 右:モッコクとツバキ

12月28日(水)

 坂を上がり切ったところに、以前マツがあったが、今は無くなっている。切株が2本あるので、そのうちの1本がマツになる。しかし、もう1本は何だったか思い出せない。道沿いに2本のホオノキが2本ある。写真では、中央に重なるように見えている。以前、この樹の幹を見ていた時、トチノキに思えた。ところが、この樹が大きな白色の花をつけ出したので、見間違えしていたことに気が付いた。改めて見直すと、ホオノキの幹は灰白色で、滑らかである。正面の緑色をした樹はスダジイで、その右はイチョウである。

 

 坂を上って行くと、左側にソメイヨシノの大きな樹が現れ、その横に小さなコナラの樹が2本とカエデの樹がかたまっている。右端の大木の樹形はケヤキに似ているが、上の方の幹を拡大して見ると、横縞の皮目が現れてくる。従て、ソメイヨシノになると思う。

 

 ここからは、しばらく平坦な道になる。尾根道のようなところなので、日がよく当たる。左側の斜面は、滝の広場へ通じる。ここにはコナラやカエデが沢山ある。もちろんこの中にソメイヨシノも入っている。日の当たる側はスダジイが連続している。この先へ進むと、モッコクが現れてくる。

 

 ここは左側のイチョウが葉を落としている期間はよく日が当たる。今は丁度その時期である。先程のところから右側はスダジイが連続し、マテバシイが現れてくる。広葉樹が続くので、この中はいつも暗い。  ここからは緩やかな坂となる。左側はコナラが消え、樹種が変わってくる。中央付近に見えるのはクスノキになる。この樹もクスノキと分かるまでは、色々な事があった。葉を見た時、3脈が目立ったので、シロダモではと思った、しかし冬芽を見て違うと分かった。それでも直ぐにはクスノキとは分からなかった。冬芽はタブノキに似ている。葉の厚みの感覚はタブノキである。そこで調べ直し、タブノキは3脈が見立たないことが分かった。遠回りをしてクスノキへ辿り着いた。正面には、イチョウとホオノキが現れて、右側にはモッコクとヤブツバキが続く。

 

 丘の上の広場へ通じる右側の階段を過ぎると、右側はモッコクとツバキが交互のように続いてくる。左側は全く樹種が異なり、サクラとホオノキになる。

 

撮影:12月23日

 記  平成28年12月25日(日)

12月29日(木)
ツワブキ:タンポポに似た果実が出来ている 一回り大きくなったミツマタ チガヤ ネコヤナギの冬芽

12月29日(木))

 樹木の分布を調べながら歩いていくと、今まで調べてきたことが何か整理されてくる気がする。オトメツバキ、カンヒザクラを見て進み、パークセンターの広場へ出てきた。

 

 ここからいつものように水路沿いに進んだ。先日、別の公園で、ツワブキが再び咲き出した光景を見ていたので、ここではどうなっているか興味があった。早速、ツワブキのところへ行くと、期待は外れ、花の姿はなかった。「これがツワブキ・・・」と思える姿になっていた。その姿は、タンポポを大型にしたものである。よく考えれば、ツワブキはキク科である。果実がタンポポに似ていても不思議でない。

 次に気になっているのはミツマタである。近づくと、株全体が前回よりひとまわり大きくなっているように思えた。実際に1つの頭状花を見ると、一回り大きくなっている。1つの頭状花がこれだけ大きくなっているのだから、頭状花の数の倍数大きくなっていることになる。更によく見ると、1つ1つの蕾も外へ出始めている。

 湿地を見ると、白色の穂が何本も立ち並んでいる珍しい光景が見えてきた。この穂として考えられるのはチガヤである。それにしても、今頃チガヤは穂を付けるのであろうか。調べると、秋、それも寒さが増す頃に生える背丈の低いチガヤがあるという。若しかしたらこれがそうかもしれないと思った。手に取って調べられないのが残念だ。

 資料: http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/saijiki/tigaya.html"

 サンシュユを見逃してネコヤナギのところへ来てしまった。観察結果をまとめている段階で気が付いたので、元へは戻れない。ネコヤナギの紅い冬芽を見ていると、大分大きく膨らんでいるものが見えてきた。しかし、まだ白色の毛に纏われた冬芽は1つもない。

撮影:12月23日

 記  平成28年12月25日(日)

12月30日(金)
タブノキとモミジバスズカケノキ サワラとモミジバスズカケノキ コナラとエゴノキ コブシとサワラ 中の池と下ノ池を結ぶ堤

12月30日(金)

 この写真は、パークセンターを出たところの下ノ池である。今は、寂しい冬景色である。花の時期は、ここから対岸のサクラが見える。その時の景色には、今の光景からは想像が出来ない美しさがある。

 

 下ノ池の周りの樹木分布を見ながら進み始めた。道は左にカーブしている。正面の奥に、モミジバスズカケノキが幽かに見え、左側のマテバシイの緑が濃く見える。右側には、棒状になった大きなソメイヨシノ、その右下にモッコクの緑が見える。

 左側の崖を見ると、樹木が林立しているのが分かる。夏場は、葉で隠されているので、このような光景を見ることは出来ない。手前に樹皮の黒っぽい樹が見える。この樹はエゴノキになる。ここの崖には何本かが見られる。奥にあるのは主にコナラの大木である。

 前方に中の池が見え、少し明るくなってきた。手前にコブシの樹が見え、それから先にはサワラの大木が何本も続いている。サワラとヒノキはよく似ている。葉の裏側の白色の気孔線模様がX型になっていれば、サワラになる。手が届く所に葉があれば、いつも確認することにしている。

 

 中の池と下ノ池を結ぶ堤に出た。ここの堤にはイチョウ、ヤナギとヨコハマヒザクラがある。サクラの咲くころは、赤みがかったヨコハマヒザクラが見事な光景をつくり出す。両側にあるシダレヤナギの樹形も見栄えがいい。

撮影:12月23日

 記  平成28年12月26日(月)

12月31日(土)
カヤ ソメイヨシノ: 開花標準木 梅護寺数珠掛桜 カンザン ユリカモメ

12月31日(土)

 中の池と下の池の間の堤を渡りきったところにスダジイ、カヤ、カツラの樹がある。カツラの葉は散って仕舞っているので、今はスダジイとカヤへ目が行く。スダジイは見る機会が多いが、カヤを見る機会は少ない。このカヤを見ると、いつも「これはモミでは」と迷いが出てくる。カヤやモミを見る機会はほとんどないので、ここで、どこが違うか、復習し、「モミ葉の先は2つに割れている」ことを思い出す。

   

 ここから茶店の方へ向かって行くと、右手に、開花標準木と明記されたソメイヨシノの大きな樹がある。一方の枝は道へ、もう一方の枝は水面へと伸びている。花時には沢山の花をつけるので、一番の人気どころになる。向かい側には大きなケヤキの樹が高く聳えている。茶店の前の広場はヤマザクラを中心にオオシマザクラがあり、ソメイヨシノとともに花の時は見事なサクラの庭園になる。

   

 右にソメイヨシノを見て進んで行く。「この樹もソメイヨシノでは」と思って、名札を見ると、「梅護寺数珠掛桜」という聞きなれない名札かかかっていた。初めて聞く名前なので、開花が楽しみになる。左にはサザンカ、オオシマザクラ、ハゼノキなど続いている。

   

 前方にテニスコートが見え、下ノ池の角にエノキの大きな樹がある。右へ曲がると、両側はカンザンの並木となっている。このカンザンはソメイヨシノなどの花が終わってから咲き出してくる八重のサクラである。そのため、公園ではサクラの花を長く楽しめるようになっている。

   

 下ノ池を見ると、白色の水鳥がいる。鳥についてはよく分からない。嘴が尖っているので、カルガモとは違う。「カモメかなぁ」そんな思いもした。調べると、カモメの仲間で、ユリカモメと分かった。カモメの仲間は、主なものだけで8種類もあるという。

 

撮影:12月23日

 記  平成28年12月27日(火)

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