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平成29年度                                                            三ツ池公園の植物へ
1月
1月5日(木)
ソメイヨシノとムクノキ ソメイヨシノとコナラ コナラ フゲンゾウ スイセン

1月5日(木)

正月を挟んだため、三ツ池公園の記録が延び延びになって仕舞った。

 カンザンを見ながら進んで行くと、突き当りの左側にプールが見えてくる。夏場は、子供たちの賑やかな声が聞こえてくる。ここから右の山道へ入ると、オカトラノオがあり、奥にはムラサキシキブガある。今日はここの角を曲がって進んで行く。下ノ池の角をまわると、ソメイヨシノともう1本大きなムクノキが見えてくる。公園内に何本かのムクノキがあるが、この樹が一番印象に残っている。ムクノキの木肌は、樹皮が紙のように剥がれる特徴がある。

 左側の崖には大きな樹木が林立している。主なものはコナラで、その中に大きなソメイヨシノの樹が見えてくる。

 池沿いにサクラの樹が植えられている。ここのサクラはフゲンゾウが多い。フゲンゾウは、白色っぽい花で、雌しべが象の鼻のように突き出ている形をしている。開花期はソメイヨシノよりは遅い、

 コリア庭園へ戻ってきた。この目と鼻の先にパークセンターがある。入口の花壇にスイセンが咲いていた。スイセンは暮れ頃から咲き出すのを知っているが、今年はここで始めて見た。この花が咲き出すと、新春という言葉が思い出される。

 下ノ池の周りをひと回りして、主な樹木を記録してみた。以前にも同じことを試みたことがあるが、見直す個所が大分見つかった。早急に纏めたい。

撮影:12月23日
  記  平成28年12月28日(水)
1月27日(金)
メタセコイアの冬芽 シュゼンジカンザクラの冬芽 ソメイヨシノの冬芽 ケヤキ カンヒザクラ

リョウブ リョウブの冬芽 カエデ コナラ

1月27日(金)

 良い天気で、風もないので、昼近くになって三ツ池公園へ行くことにした。1月の後半に入ったが、三ツ池へ行くのは今年初めてである。ヤマナラシ、ネコヤナギなど見ておきたいものが沢山ある。サクラの冬芽も見ておきたい。

 南門から入って、メタセコイアを見た。大きな樹で高く聳えている。冬芽を見る機会がないかといつも様子を伺っていた。奥の方のメタセコイアを見ると、下の方に枝がある。何とかなりそうに思えたので、近づいた。米粒の様な冬芽が見える。枝を下げることが出来たので、接写撮影が出来た。冬芽は対生についている。楕円形をしており、茶褐色の芽鱗が重なり合っている。

 そろそろサクラの冬芽が動き出すのではないかと、南門の正面にあるシュゼンジカンザクラを見た。このサクラは、カンヒザクラとオオシマザクラの雑種で、ソメイヨシノに先駆けて咲く。昨年は、3月3に開花を見ている。冬芽を見ると、艶があり、上の方がほんのりと明るい色に変わり、黄色味がかっている。

 ソメイヨシノの冬芽を見たが、シュゼンジカンザクラのような動きは見られない。幾分大きくなった気がしたので計測してみた。しかし、長さ9㎜、幅3㎜とほとんど変化がなかった。この冬芽は何時見ても毛深い。

 このソメイヨシノの裏側は斜面になっていて、ケヤキの林が広がっている。このケヤキを見ていくと、低い枝がある。暫く冬芽を見ていなかったので、覗いてみると、相変わらず小さく、分かりにくい。計測すると、長さ2㎜、幅1㎜程であり、昨年の11月16日に見た時とほどん変わりがない。冬芽は円錐形で、下が太く、丸みがあり、先端は尖っている。

 ヤマナラシを確認するために坂を上り始めた。途中まで行くと、カンヒザクラの冬芽が目に入って来た。先程のシュゼンジカンザクラの冬芽と同じように、先が明るい色に変わり始めている。カンヒザクラはシュゼンジカンザクラの片方の親であり、同じようにソメイヨシノよりは早く咲く。このサクラも昨年3月3に開花を見ている。

 更に坂を上ると、左側に大きなソメイヨシノやカエデ、コナラなどが見えてくる。その中に1本、ナツツバキの幹に似た樹があった。「冬芽があれば、判断が付くのだが・・・」と冬芽を探すと、手に届きそうな枝に冬芽はあった。その冬芽を見ると、冬芽は芽鱗にすっぽりと覆われている。ナツツバキとは明らかに違うと分かった。この冬芽はリョウブになる。

 カエデの冬芽を見た。冬芽は、赤い細い枝に対生している。枝と同じ赤い色で、太陽のに光に照らされ輝いている。この赤色が綺麗で、目が惹き寄せられる。

 4稜を持ったコナラの冬芽も綺麗に映えている。頂芽を見ると、3つあり、その中の1つが際立って大きい。芽鱗は茶褐色で、枚数が多い。表面には疎らに短い毛があるようだ。

撮影:1月22、23日

記  平成29年度1月23日(月)

1月28日(土)
シロヤブツバキ ヤブツバキ ハクバイ シダレザクラ ヤマナラシ

ヤマナラシ ヤマナラシの冬芽 ヤマナラシの幹 ベニバナトチノキの冬芽

1月28日(土)

 丘の上広場へ着くと、ここからはツバキ、モッコクが続いている。ここに見られるツバキはヤブツバキ、シロヤブツバキ、オトメツバキなどである。ヤブツバキ、シロヤブツバキの花数が増えている。これからツバキがどんどん咲いてくるようになる。

 丘の上広場を進んで行くと、ツバキやモッコクの陰に白色のものが見えた。「ああ、これはハクバイだ」と分かった。ここのハクバイはまだ花数が少ないようだ。花が咲いていないとき、ここハクバイはほとんど目立たない。

 このハクバイのすぐ前に大きなシダレザクラがある。サクラのシーズンには、沢山のサクラが咲くので、ついついこのシダレザクラの開花を見逃してしまう。今年は注意して、開花を見逃さないようにしたい。冬芽を見ると、毛が多いので、ソメイヨシノの冬芽を連想させる。枝へのつき方を見ると、枝に貼り付いていた姿から幾分隙間が出来たような気がする。

 暮れにヤマナラシを撮影したところへ来た。葉と冬芽を見てヤマナラシと判断したが、幹が未確認であった。今日はこの幹を確認しようとしている。ところが、「ヤマナラシが何処にあったか」記憶に残っていない。先日の写真を見ながら探した。探し続けると、思っていたところとは反対のところで見つかった。冬芽は先日のものとそっくりである。「こんなに大きな樹だったかなぁ」と疑問を感じた。写真を見ながら、色々な角度からこの樹を見ると、先日は葉が幹を隠していたことが分かってきた。写真をよく見直すと、この大きな樹から出た枝の冬芽を撮影していたようだ。局所的な写真の他に、周りの写真も撮影しておく必要があった。この大きな樹がヤマナラシの樹になりそうだ。幹には、縦方向に不規則な皮目が見える。

 ここから坂を下って行くと、途中の藪の中にベニバナトチノキがある。若しかしたら、ここのベニバナトチノキの冬芽で、粘液が確認出来そうに思えた。薮へ入ると、低い枝が見つかり、冬芽に手が届きそうに見えた。早速、枝を下げるたら、冬芽が目の前に現れた。冬芽は堅い芽鱗に包まれ、表面は乾いていた。粘液は見ることが出来なかった。この硬い芽鱗が剥げれば、粘液が見えてくるのか、あるいはまだ成長の過程で、これから粘液が分泌されてくるのだろうか。

撮影:1月22、23日

記  平成29年度1月23日(月)

1月29日(日)
サンシュユ:芽鱗が開き始めた ボケ ネコヤナギの冬芽 ネコヤナギ ブンゴウメの冬芽

ハクバイの冬芽 コウバイ ニシキギ:果実の抜け殻

1月29日(日)

 パークセンター前の広場へ出てきた。ここで見たいのは、サンシュユである。昨年の12月2日に、数輪の蕾がほころび始めていた。それから1か月以上経ったので、若しかしたら花が見られるのでないかと期待していた。

 水路沿にそって日陰の中を進み、サンシュユの樹のところへ来たが、花は1輪も見られなかった。先日開きかけていた蕾はどうしたのだろうか。例年3月初旬に花を見ているから、今咲き始めるのは早く成長した蕾かも知れない。寒さが続くので、蕾の方でも様子をうかがっているようだ。

 道を挟んだ向かい側に数本のボケが垣根として植えられている。その蕾に緩みが出始め、先の方が赤く染まってきた。外側は花弁の感じが出てきている。

 垣根の中は小さな沼になっている。今は、ヨシなどで覆われていないので、沼の輪郭が分かる。夏ごろ見る広さの倍ぐらいの広さになっている。この沼の側にネコヤナギがある。冬芽は鮮やかな赤い色をし、目が惹かれる。注意してみると、1つの冬芽の芽鱗が抜け替わろうとしている。ルーペを使って見ると、肉眼では識別できない白色の毛が見える。

 パークセンターで一休みしようと中へ入ると、席は満杯に近かった。小さな子供を連れたお母さん方が随分多い。何とか空き席を見つけ、一休みした。

 コリアの入り口に、ブンゴウメがある。また、中にはコウバイ、ハクバイがある。今ウメが咲き始めて来ているので、ここの様子を見に向かった。ブンゴウメの蕾は小さいが、先端が赤味を帯びている。昨年は3月16日に開花を見ているので、未だ日数がかかると思えるが、直ぐにも咲きそうな感じがする。

 中に入り、コウバイ、ハクバイを見ると、どちらも蕾だけで、花が見られない。蕾は大きく膨らみ色付いているのだが、「可笑しいなぁ」と思い、よく見直した。すると、門の右側のウメはどちらも開花していなかったが、門の左側のハクバイは開花していた。数m離れただけで、こうも違うのかと改めて感じた。

 庭園の奥にサンシュユの樹がある。様子を見ると、先程パークセンターの広場で見たサンシュユとほぼ同じ状況で、蕾が開きかけていた。庭の植木に目を移すと、ニシキギの枝に奇妙な形をしているものを見つけた。調べると、果実の抜け殻と分かった。赤い果実は目にしていたが、抜け殻は見ていなかった。

撮影:1月23日

記  平成29年度1月24日(火)

1月30日(月)
ムラサキシキブの冬芽 トキワサンザシの果実 ヤマザクラの冬芽 ヨコハマヒザクラの冬芽 クリの冬芽

カジイチゴの新葉 アカメガシワの冬芽

1月30日(月)

 コリア庭園からいつもの藪へ入り、ムラサキシキブを見た。以前は何本もあったように記憶しているが、このところ本数が少なくなったようだ。ムラサキシキブの冬芽は裸芽で、枝に対生している。また各枝も対生に出ている。冬芽の表面は沢山の毛で覆われている。この毛は星状毛と呼んでいる。

 薮から出ると、池の畔に出る。ここには大きなソメイヨシノの樹がある。この樹の脇を見ると、柿色をした小さな果実が目に入って来た。「この樹を見ると、何の樹だったかなぁ」といつも考えてしまう。一般的にはピラカンサと呼んでいるが。これの果実には赤いものと黄色いものとがある。赤いものはトキワサンザシで、黄色いものはタチバナモドキということを手掛かりして、見分けているが、いつも迷う。

 茶店の前のいこいの広場にヤマザクラがある。ここへ来るたびに、このヤマザクラの冬芽を見ようとしているが、冬芽は高いところにあるので、今まで1度も鮮明な写真が撮れていない。今日も試みたが、結果は同じだった。資料によると、長卵形で無毛という。

 茶店から池へ出た堤の両側にヨコハマヒザクラが植えられている。その冬芽を見ると、未だ細長いが、芽鱗の皺がのばされ、前回よりは幾分膨らみが出てきたように見える。

 石碑の広場の角にコナラと並んでクリの樹がある。幹を見ていたのでは、コナラとクリの区別はつかない。コナラの樹は見る機会が多く、冬芽も見ている。ところが、クリの樹を見る機会は少ない。「冬芽を見れば2つの違いが分かるのでは」と思っていた。丁度いい機会なので、クリの冬芽を見た。冬芽は、先が黒く、こんもりしている。稜があるコナラの冬芽とは全く違っている。

 里の広場に入り、アカメガシワを目指した。ここの入り口にもアカメガシワがあるのだが、今見ると、どこにあるのだか分からなくなってしまっている。さらに奥へ入ると、藪の縁に沿ってカジイチゴの樹がある。この樹を見ると、もう新葉が出始めていた。

 一番奥に入り、アカメガシワの冬芽を見る番になった。冬芽は、星状毛を被った塊が幾つかかたまった状態で、この写真の段階では細かいことは殆ど分からない。この1つ1つの塊が冬芽なのかもしれない。

撮影:1月23日

記  平成29年度1月24日(月)

1月31日(火)
ショウゲツの冬芽 シロタエの冬芽 ベニガサの冬芽 ベニユタカの冬芽 リョウブの冬芽:芽鱗に沢山の毛が見える

ヒメシャラの冬芽 ヒメシャラの幹

1月31日(火)

 中ノ池の里の広場寄りには、ショウゲツ、シロタエ、ベニガサ、ベニユタカなどの色々な種類のサクラが植えられている。みんな聞きなれない名前である。これらのサクラは園芸品種で、ヤマザクラやオオシマザクラを基本とし、いろいろなものを掛け合わせ作り出されたものと言われている。ヤマザクラやオオシマザクラの冬芽には毛がない。ショウゲツ、シロタエ、ベニガサ、ベニユタカの冬芽にも毛がない。何か共通しているようだ。

 花の広場へ近づくころ、池の側にリョウブの樹が1本見えてくる。リョウブの樹はここの右手の丘に沢山ある。様子を見ていると、芽鱗が取れそうになっている冬芽があった。撮影した写真を見ると、外側の芽鱗に沢山の毛が見える。今までたくさんのリョウブの冬芽を見てきたが、この毛の存在に気が付いていなかった。

 花の広場から少し丘へ上ってヒメシャラを見た。何度見ても、ヒメシャラとナツツバキが混乱する。「ヒメシャラは芽鱗の数が多い」このことを念頭に見直してみる。茶褐色の芽鱗の縁に毛が見えるが、内部の冬芽はまだ見えない。幹には斑点模様が見え、樹皮が縮れた紙のように剥がれる。

撮影:1月23日

記  平成29年度1月24日(月)