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平成29年度                                                            三ツ池公園の植物へ
6月
6月4日(日))
ヒメシャラとナツツバキ ナツツバキ:切り株 ヒメシャラ ヤマモモ:新葉 スダジイ

スダジイ:雌花 ベニバナトチノキ

6月4日(日)

 今日は風があるが、いい天気になった。早いものでもう6月に入った。三ツ池公園では、ヒメシャラやナツツバキが咲く頃かもしれないと思い、出かけることにした。

 南門から入ると、少し雰囲気が変わっていた。「ジュウガツザクラがなくなっている」ことに気が付いた。なくなってみるとどこにあったか、分らなくなった。切株がないかと探すと、見つかった。切り倒された幹を見ると、無残に見える。このジュウガツザクラから色々な事を教わったことが思い出される。切株の写真を帰りに撮影しようと思っていて、忘れてしまった。近いうちに再度訪れ撮影して置きたいと思う。

 坂を上っていくと、途中にナツツバキ1本とヒメシャラが2本ある。ジュウガツザクラの運命を見ると、ナツツバキも伐採されているかもしれにと思った。現地に着くと、思った通り、ナツツバキも伐採されていた。前回見た時、1枚の葉もついていなかったので、枯れてしまったのではないかと思っていた。伐採されたナツツバキは、ナツツバキの名前を最初に教わった樹なので、名残惜しい。もうこの幹から葉や花、冬芽を見せてもらうことがない。恩のある樹である。

 丘の上の広場へ来た。夏を迎え、ここには色のついた花はない。何か取り残されたような殺伐さが感じられる。ヤマモモの樹がったので、目をやると、上の方が赤みを帯びていた。「ヤマモモの樹に今頃新葉が出てくるのかなぁ」と不思議に思った。ヤマモモとホルトノキの葉はよく似ている。若しかしたらホルトノキではないだろうか。過去の記録を見ると、この近くにホルトノキがあった記録がある。若しかしたらこの樹がホルトノキだったのかもしれない。再度確認し直してみたい。

 パークセンターへつづく入口にスダジイの樹がある。前回ここスダジイの雄花、雌花の写真を撮った。雌花を探して雄花をかき分けると、盛んに雄花の花粉が飛び散ってきたことが思い出される。今は、雄花は全く見られない。雄花の無くなった今だと、雌花がよく見えるし、撮影しやすい。ただ雌花は前回より少し萎れかかっている。

 坂を下り、ベニバナトチノキの様子を見た。前回は偶然に花を上の方に見ることが出来た。今日は若しかしたら果実が見えるのではと思っていた。花は紅い色がついていたので、直ぐ分かったが、果実は簡単には見つからなかった。上の方の葉の陰に果実らしいものが見えたので、写真を撮ってみた。やはり果実だった。果実を見た時、表面に棘があることに驚いた。今まで白色のトチノキの果実を見ていたが、確か棘はなかった(資料1)。資料2によると、ベニバナトチノキとセイヨウトチノキ(マロニエ)の果実の表面には棘があるという。また、ベニバナトチノキはセイヨウトチノキ(マロニエ)とアカバナトチノキの交配種だという。

 資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1362.html

 資料2:http://koto-green.main.jp/plant_aesculus-carnea.html

 

撮影:撮影:6月2日

 記  平成29年6月2日(金)

6月5日(月)
タチアオイ タチアオイ ヤマホタルブクロ ヤマホタルブクロ ショウブ

ショウブ クサヨシ クサヨシ ショウブとハンゲショウ カキツバタ

ムギクサ

6月5日(月)

 パークセンターの広場へ出たところにピンク色のタチアオイが咲いていた。ピンク色の5枚の花弁が半分重なり合い、風車の形をしている。花の中心にあるのが雄しべと雌しべで、雄しべは下の方にあり、上で細い紐状に伸びているのが雌しべになる。ゼニアオイに似ているが、此方が葉、花が一回り大きい。葉は大きな楕円形で、先が浅く5つぐらいに切れ込み、長い柄がある。中央から半放射状に延びる葉脈が目に付く。

 水路沿いに進み始めると、山側に白色のホタルブクロが見えた。しかも沢山咲いている。何か知らないうちに、ホタルブクロを見る時期になって仕舞ったようだ。ホタルブクロの仲間にヤマホタルブクロがある。ホタルブクロとヤマホタルブクロの違いは副萼の違いにあるという。副萼は萼と萼との間にある小さな萼のことで、これが反り上がっているのがホタルブクロで、ヤマホタルブクロはここが反り上がらず、膨らみになっている。この副萼は反り上がっているように見えるので、ホタルブクロになるようだ。

 前回、ショウブの花を見たがよく分からなかったので、再度写真を撮り直してみた。しかし、何枚撮影しても詳細が良く分からない。資料も少なく、どこまでが1つの小花か見極めることが出来ない。唯一、資料に「写真の緑色の部分は、花が終わって子房がふくらんできたものです」との説明があった。すると、この緑色の子房とその周りの5~6この肌色の物が1つの小花になるのだろうか。緑色のものが子房なら、肌色のものは雄しべの葯で、花粉が出た痕になるらしい。しかし、葯の跡には見えない。

 資料:http://www.asahi-net.or.jp/~zh7k-knk/shinka/03/h2.html

 

 ショウブを見ていると、その中にイヌビエに似ている草が見えた。水路の近くでイヌビエを見ることはあったが、沼地の中にケイヌビエは見るが、イヌビエを見ていない。よく見ていると、つい先日、舞岡公園の畦道で見たクサヨシを思い出した。その時は、カモガヤと一瞬間違えていた。各節から4~5本の枝を出し、更にその枝が枝分かれし、その先に長いノギのある小花をつけている。これもクサヨシだと思う。

 今度はショウブにハンゲショウが混ざってきた。ハンゲショウの葉にまだ白色の斑点模様が入っていないし、花が咲いていない。ここにハンゲショウがあったことを知った人でないと、この葉を見てハンゲショウとはすぐには分からない。ハンゲショウの葉には柄がなく、数本の平行脈が目立つ。

 ショウブが少なくなったところに数本のカキツバタが見えた。アヤメ、ハナショウブ、カキツバタと似ているものがあるが、花弁のもとに白色の模様があれば、カキツバタになる。遠くにあったが、写真で確認すると、確かに白色の模様が見られた。

 反対側の花壇を見ると、ムギクサが見られた。背丈が低いだけで、ムギの穂にそっくりである。前回も見ているが、さらに広がってきたようである。ここだけかと見渡すと、近くの何ヶ所かに分布していることが分かった。繁殖麓が強いようだ。

撮影:6月2日

 記  平成29年6月2日(金)

6月6日(火)
ヨシとシオカラトンボ イチゴツナギ シマグロヒョウモン ムラサキシキブ ムラサキシキブ

ドクダミ ドクダミ ドクダミ オカトラノオ オカトラノオ

6月6日(火)

 奥の方の小さな沼地へ行った。ヨシの成長が著しい。つい先日まで、ヨシノの上を通し、向こう側が見えていたが、もうヨシで覆われ、向こう側は見えなくなってしまった。ヨシを見ていると、シオカラトンボが飛んできた。トンボは動きが早い。そのうち止まるのではと思っていると、目の前のヨシの葉に止まってくれた。じっとしているので撮影した。これはシオカラトンボの雄になる。

 この沼の奥にツリフネソウがあるので、様子を見ようと、奥を見ると、あれほど繁茂していたイチゴツナギが褐色に変色し、枯れ出していた。どのイチゴツナギを見ても、果実らしきものは残っていなかった。自然の変化の激しさが分かる。ツリフネソウを見たが、花は未だのようだ。

 戻り始めたら、今度は一頭のチョウが舞ってきた。止まるのを待っていると、何時になっても止まらない。何度も同じところを舞っている。風が吹くと、その風に乗り、流されて行った。もう戻ってこないだろうと、撮影をあきらめていると、また戻ってきた。あの小さい体で、「あんなに長い間、よく飛び続けられるなぁ」と感心した。すると、羽根を閉じてチガヤの穂に止まった。ツマグロヒョウモンだろうか。よく分からない。

 今日は幼稚園児が沢山見えている。一園だけではないようだ。休憩をとろうとパークセンターへ入ると、小さな子供連れた親御さんが結構いる。天気がいいので、外では子供たちが走り回っている。

 休憩後、コリア庭園の横の藪に入り、ムラサキシキブを見た。蕾は見えるが花は未だだろうと思っていたが、沢山の蕾が色づき、ちらほらと花が咲き始めていた。こんなに早く咲くのだろうかと、昨年の記録を見ると、6月3日に開花を見ていた。

 坂を上っていくと、左右の藪にドクダミが沢山見える。ここまで来るまで日影はもちろんのこと、日向でもドクダミをたくさん見てきた。今最盛期を迎えていることが分かる。ドクダミの白色の部分は萼で、中央にあるのが小花の集まった花序だという。今まで小花はよく見ていない。どんな風になっているのだろうか。資料によると、「雄しべが3個で、これと花柱が3裂した雌しべからなる」と説明されていた。写真を見直した。雄しべや雌しべの姿は確認できたが、1つの小花が上手く確認できなかった。

 資料:http://www.geocities.jp/kinomemocho/sanpo_dokudami.html

 藪を出たところの左側にオカトラノオがある。オカトラノオの花冠の先は5つに分かれているというが、このオカトラノオは6つに分かれている。不思議に思って調べたことがある(資料)。オカトラノオを見ると、茎が大分高くなってきている。上の方の葉をかき分けてみると、蕾が出来始めている様子が見えた。「これが伸びてきて花をつけるのかぁ」と思った。

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1373.html

撮影:5月11日6、 月2日

 記  平成29年6月2日(金)

6月7日(月)
トキワサンザシ トキワサンザシ ネズミモチ ネズミモチ タケニグサ

タケニグサ カシワバアジサイ

6月7日(水)

 藪から出ると、下ノ池の脇に大きなソメイヨシノの樹がある。その傍に塊状に咲く白色の花が見えた。この花を見る度に、「何という名前だったか」と考えてしまう。一般的には、ピラカンサと呼ぶが、以前調べたことによると、この仲間にはタチバナモドキやトキワサンザシ、カザンデマリ(ヒマラヤトキワサンザシ)の3種類がある。資料では、この花をトキワサンザシとしていたが、改めて資料を見てみると、トキワサンザシは間違いで、この果実は黄橙色と見たほうがよさそうなので、タチバナモドキになるようだ。

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2094.html

 池伝いに進み、茶店の前に来ると、今日は日曜日でないのに店が開いていた。珍しいと思った。向こうから園児の一行が来た。段ボールのようなものを持っている園児がいる。その姿から、おお滑り台で遊んできたことが分かる。

 中ノ池と下ノ池の間の堤に入ると、中ノ池側に白色の小さな花が見えた。この花は、かって見た気がしたが、記録に残っていない。しかし、よく考えてみると、資料1の樹がこの花に該当する気がしてきた。資料1ではイボタノキとしているが、葉に疑問を抱いている。葉を改めて見直すと、イボタノキの葉ではない。どう見てもネズミモチの葉に似ている。ネズミモチをイボタノキと間違えているような気がしてきた。そこで、この2つの違いについて調べ直した。

 資料1:https://https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1792.html

 資料2:https://https://matsue-hana.com/hana/ibotanoki.html

 資料3:https://https://matsue-hana.com/hana/nezumimoti.html 

資料2、資料3より

ネズミモチ
 葉  革質で厚く、両端とも尖る、光沢がある
 花  筒状漏斗形で、半ばまで4裂、雄しべは2個、雄しべと花柱は花筒から少し突き出る

資料2、資料3と実物を見直すと、やはり、ネズミモチをイボタノキと間違えていたことが分かってきた。

 今日は晴れているのだが風が強い。丈夫そうなタケニグサが靡いている。茎の先を見ると、花が咲いていそうに見えたので、近づいてみた。すると、まだ蕾であった。しかし、大分膨らんでいるので、開花が間近いことがわかる。

 突き当りに大きなアジサイがある。葉がカシワの葉に似ているところからカシワバアジサイと名付けられている。花弁に見える萼を見ると、八重になっているようで、中心では、新しい小さな萼が生まれているようだ。

撮影:6月2日

 記  平成29年6月4日(土)

6月8日(木)
クリ:雄花 クリ:雌花 クリの花 カジイチゴ:果実 カジイチゴ

アカメガシワ アカメガシワ>

6月8日(木 )

 里の広場へ入った。ここの右側にコナラ、エゴノキ、クリがある。ここではクリの花を見たい。先日、舞岡公園でクリの花を見たが、雄花だけで雌花を見ていなかった。クリの樹の花は、藪へ少し入ると見ることが出来る。枝を見ると目につくのは雄花である。雌花はないだろうかと探すと、雄花の咲いている枝の根元に1つ見えた。

 牧野新日本植物図鑑によると、「雄花は萼が6個に深裂し、雄しべは10本ぐらい、雌花は普通3個が集まって鱗片のある総苞に包まれている雌花の萼は6個に深く裂け・・・」と説明されている。また、資料1によると、「雄花は半円形の苞のわきに7個ほどが集まってつく、雄しべは約10本で花被の外に長く突き出る。雌花は緑色の総苞のなかに3個ずつ入る。花柱は長さ3mmほどの針状で総苞のそとにとび出る。花柱は9~10個」と説明されている。

 雄花を見たが、雄しべばかりで、解剖でもしなければ、どこまでが1つの小花なのか掴むことが難しいと思えた。ところが、雄しべの無くなった花を見ると、1つの塊の中に雄花が複数あったことが分かる。数は5個ぐらいまで数えられる。この1個から10本もの雄しべが出ているのだから、普通に見ていたのでは小花の詳細は分からないはずと思った。雌花についてみると、1つの塊に2個までは認められたが、もう1つは見えなかった。何方にしても、萼や苞は簡単に見ることが出来ない。

資料:http://zasshonokuma.web.fc2.com/kagyo/ku/kuri/kuri.html" \l "hana" \t "_blank

クリの雌花を見て、今日は大きな成果があった。それにしても、日常食べるクリがこのような花からできるとは不思議である。前方には山が控えている。その裾にカジイチゴが連なっている。様子を見ると、オレンジ色の果実が出来ていた。食べられるそうである。

 広場に目を移すと、何組かの親御さんが集まっている。子供は元気で、広場を走り回っている。山沿いに進むと、アカメガシワがあり、そこで山は途切れ、丘になっている。アカメガシワの様子を見ると、枝の先に花序の枝が伸びていた。先日は、まだ赤い葉を確認したところだったが、花序の枝は急速に伸びてきたようだ。花序の枝には既に球状の花芽が沢山付いている。昨年6月14日に花を見ているので、もうすぐ花が咲くようだ。

撮影:6月2日

 記  平成29年6月4日(日)

6月9日(金)
ザクロ ザクロ リョウブ リョウブ ナツツバキ

ナツツバキ ヤマアジサイ ヤマアジサイ

6月9日(金))

 遊びの広場に入ると、子供たちが沢山いた。今日は開港記念日で学校が休みになので、小学生が多く来ているようだ。

 ここの入り口を見ると、ザクロの花が咲いている。オレンジ色の花で、よく目立つ。横から見るとラッパ状の花で、正面から見ると、八重の花弁が萎れて重なっているように見える。ここの果実を見た記憶があったが、調べてみると、記録がなかった。果実は7月にはできるので、見てみたい。

 中の池の渕にリョウブの樹が1本ある。ここは日陰の時間が多い。今も日陰になっている。花序がどうなっているか見ると、花序が見当たらない。「そんな訳がないだろう」と吃驚して、よく見直した。すると、見つかった。何時もより花序が少ないようだ。先日、舞岡公園でもリョウブの花序を見ている。その時、小花の蕾の脇に紐のような突起があり、「これは何だろうか」と疑問が残った。ここのリョウブの蕾はどうなっているだろうかと見ると、緑色の突起が見えた。もっとよく見ようとリョウブが沢山ある花の広場の丘へ上って行った。そこで幾つかのリョウブの花序を見ると、突起が茶褐色に変色しているものがあった。この姿を見て、小花が開花した時突起がなくなっていることの答えが浮かんできた。この茶褐色のものは蕾を包んでいた苞で、開花時には落下してなくなるのではないだろうかと思った。

 この丘の上り口にナツツバキがある。今日、南門から坂を上ったところで、ナツツバキの花を見ようとしていたところ、先述したように伐採されてしまっていたので、見ることが出来なかった。次の期待地のパークセンターでは花が咲いていなかった。ここを逃したら、今日はナツツバキの花を見ることが出来なくなる。上から見ると、花が見当たらない。ところが、近づいてみると、蕾があった。「花は未だなのかなぁ」と思って、下を見ると花弁がたくさん落ちていた。必ず花はあると、更に花を探してみた。漸く花が見つかった。ヒメシャラの花と比較するため直径を計測した。すると、5㎝あった。ヒメシャラは2.5㎝だったから、一回り大きいことが確認できた。

 土手に新しくアジサイが植えられた。花全体は小振りで、葉が細い。名前は分からないが、葉が細い点はヤマアジサイの特徴だというので、ヤマアジサイの一種だと思う。

撮影:6月2日

 記  平成29年6月5日(月)

6月18日(日)
藪の下草 キズタ アケビ チヂミザサ ミズヒキ

アズマネザサ モミジイチゴ モミジイチゴとオニドコロ クズ

6月18日(日)

 三ツ池公園のナツツバキ、ヒメシャラが気になっていた。今日は静かだろうと思ったが、南門を入ると、園児が一組いた。奥にまだ園児が沢山いるようだ。

 右へ曲がり、坂を上り始めた。何時もは、花が咲いているものや目立つものを見ていたが、今日は下草の様子をみた。この藪の後ろにはイチョウやヒマラヤスギの大きな樹が聳えている。

  下草を見ると、色々なものが犇きあっている。もちろん地面は見えない。道側にキヅタが這っている。葉の形は、女の子の頭のように見える。丁度、頭の中央で髪の毛を両端に分けているようだ。その窪みのつむじから5本の葉脈が直線的に伸びているのが目を惹く。「キヅタ」を「キズタ」と書いている資料がある。どちらが正しいのだろうか。

 直ぐ傍を奥からアケビのつるが伸びてきている。奥の方は5枚の小葉が蔓に付いているが、先端になると、枚数が減り、3枚となっている。先端だけを見ると、これがアケビとは知り難い。

 さらに奥へ入ると、ササの葉に似たチヂミザサが現れている。よく見ないとササと区別がつかない。チヂミザサはかなり広い部分を占めている。

 さらに奥へ入ると、背丈の高いミズヒキが見える。これは他のものが犇いている中にポツリポツリと飛び石の様に分布している。

 ササは全体にわたり分布している。このササはアズマネザサと言われ、地下茎を伸ばして広がっていく。一旦根づくと、退治するのが不可能なほど繁殖力が旺盛である。

 下草の中で一番背丈の高いのはモミジイチゴである。掌状の大きな葉をつけている。この茎には棘があるので、触る時は注意が必要である。この花はカジイチゴの花によく似ている。

 少しはなれた藪を見ると、植生が変わってきている。ここは少し背丈が高いもの、つる性のものが犇くようになっている。背丈の高いものは、先程のモミジイチゴに加わり、ヤブマオが出現している。つる性の大きなものはクズ、小さいものはオニドコロが見える。クズはこれから猛威を振るうことになる。

 オニドコロが背丈の高いモミジイチゴに絡みついている。何重にも絡み、葉をつけていく。この先、もうこれ以上背丈を伸ばすことはできないモミジイチゴはどうなるのだろうか。見つめて行きたい。

 此処ではクズの葉が大きくなり、下草を覆い始めている。アズマネザサなどは既に覆われてしまっている。先程の藪で見た下草も以前此処にあったことと考えられる。しかし、今は見ることが出来ない。

撮影:5月14日

 記  平成29年6月15日(木)

6月19日(月)
ドクダミ ドクダミ ツユクサ ヒメジョオン コヒルガオ

コヒルガオ セイタカアワダチソウとエビヅル ヒメシャラ 花を終えたヒメシャラ

6月19日(月)

 藪を離れて、目を左側の斜面に移した。日陰にはドクダミがこれでもか、というほど繁茂している。ドクダミの花をよく見ると面白さが分かってくる。1つの小花は、「雄しべが3個で、これと花柱が3裂した雌しべからなる」という。今見ると、葯がはっきり見える。再度確認したいものである。

 ツユクサが現れて来た。夏の花の代表的なものである。花弁の青色と中の黄色のコントラストが目を惹きつける。花弁は3枚(青い色のものとその下にある小さな白色のもの)で、雄しべは6本あるという。小さな花のように見える3本は花粉をつくらない雄しべで、長いものが2本、中間的なのが1本あるという。

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1808.html

 ケヤキの林の中にヒメジョオンが咲いている。ヒメジョオンが咲き始めてからもう大分経つ。ハルジオンとの入れ替わりが分からないうちにヒメジョオンが最盛期を迎えている。日向のものの中には褪せ始めているものが出始めているが、日陰のものには勢いがある。

 ヒルガオがある。ここのあるのはコヒルガオになると思う。花柄を見て確認した。思った通り、花柄に翼が見られる。

 ヒメシャラを見ようと目を移すと、また、藪が目に入ってきた。セイタカアワダチソウにエビヅルが絡んでいる。今セイタカアワダチソウの頭が一つ上へ出ているが、ここも覆ってしまうのだろうか。セイタカアワダチソウとエビヅルの激しい生存競争の姿である。

 先日、ヒメシャラの樹の下に花弁がたくさん落ちていた。樹に花はついていたが、もう最盛期を過ぎたと思っていた。今日見ると、思っていた通り、花は一つもついていない。先日、蕾と思えたものも花を咲かせ、散って仕舞ったようだ。

撮影:6月14日

 記  平成29年6月17日(土)

6月21日(水)
ホタルブクロ ホタルブクロ ホタルブクロ:雌しべと雄しべ リョウブ ホオノキ:果実

ヤマモモ:果実 ヤマモモ:果実 ヤマモモ:果実 モッコク モッコク

サワラ サワラ ヤマナラシ キバナノマツバニンジン ジャノヒゲ

ネジバナ

6月21日(水)

ケヤキの林を通り過ぎて、左側にあるリョウブの樹を見ようと園道から外れたところ、足元にホタルブクロが見えた。この時期、ホタルブクロは至る所で目にする。何時もの通り、萼と副萼を見た。萼は細く伸びており、副萼は反り返っている。ホタルブクロであることが確認できた。

 ホタルブクロの内側を覗いてみた。中央にめしべの柱頭が見え、先端は3つに分かれているのが分かる。釣鐘状の花弁の内側に見える赤紫色の斑紋は同心円上に並び、奥まで伸びている。雄しべは雌しべの下の方にあるようだが、写真でははっきり見えない。枯れた花の花弁を開くと、背丈の低い雄しべを見ることが出来た。

 リョウブの樹を見たが、花の姿が見えない。葉のつきも悪いようだ。冬場には冬芽を確認していたが、このリョウブは枯れ始めたような気がする。

 園道へ出ると、ホオノキの大きな樹がある。花は高いとこに出来るので、見逃しがちである。今年もすんでのところで見逃すところだった。今日は果実が出来ているのではと、上空を見ると、大きな果実があった。緑色の果実は細長く、表面に棘のようなものがたくさん見える。これが熟すと、赤褐色に変わってくるという。

 丘の上広場に大きなヤマモモの樹がある。先日この樹の新葉に赤く染まった葉があり、「ヤマモモの新葉も赤く染まるのか」と不思議に思った。その時、ヤマモモの葉によく似たものにホルトノキがあることを思い出し、若しかしたらこの樹はホルトノキではないかと思えた。今日見ると、赤い果実が出来ていたので、その樹はヤマモオに間違いなかった。ヤマモモとホルトノキの葉の違いを改めて考えなければならなくなった。

 園道に沿ってモッコクが植えられている。モッコクの葉は匙型をしているので、見つけやすい。枝を見ると、花茎が伸び出し、先に蕾が付いている。蕾の先はいくつかに割れだしているので、もう直ぐ開花になる気がする。

 ヤマナラシの間に、ヒノキに似た樹がある。この冬から春にかけて、ヤマナラシを見てきたが、間にある樹には目がいかかなかった。久しぶりに、ヒノキかサワラかを調べる気になった。葉の裏の模様がX形ならサワラになり、Y形ならヒノキになる。最初、この模様をみたとき、「おやぁ」と思った。「XでもYでもない」と思えてしまった。それでは何になるのだろうと、幾つかの資料にあたると、この模様はX形に入ることが分かってきた。つまり、この樹はサワラになる。

 ヤマナラシの葉を見た。この冬、残された葉と冬芽からこの樹はヤマナラシではないかと見当をつけた(資料1)。それが、1月22日にはヤマナラシの冬芽と分かった(資料2)。今、葉を見ると、形はミズキの葉によく似ている。ただこちらには葉の縁に浅い鋸歯が見られる。

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2033.html

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2090.html

 草原にメドハギが目立つようになってきた。花は未だかと見ていると、その中に黄色い花が見えてきた。昨年見たことのある花である。記録を見ると、7月8日に見ている(資料1)。キバナノマツバニンジンと記録されていた。細く小さな葉が、花茎に寄り添うように上へ伸びている。黄色い花弁が5枚あり、メドハギの中に点在している。この花は造成地などの荒地に生育するという(資料2)。ジャノヒゲ、ネジバナの花もメドハギの中に混在している。

草原にメドハギが目立つようになってきた。花は未だかと見ていると、その中に黄色い花が見えてきた。昨年見たことのある花である。記録を見ると、7月8日に見ている(資料1)。キバナノマツバニンジンと記録されていた。細く小さな葉が、花茎に寄り添うように上へ伸びている。黄色い花弁が5枚あり、メドハギの中に点在している。この花は造成地などの荒地に生育するという(資料2)。ジャノヒゲ、ネジバナの花もメドハギの中に混在している。

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2090.html

 資料:http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/linaceae/kibananomatsubaninjin/kibananomatsubaninjin.htm

撮影:6月14日

 記  平成29年6月19日(月)

6月22日
メドハギ チガヤ ショウブ ハンゲショウ ガクアジサイ、ショウブ、ハンゲショウがつくる光景

ヨシ

6月22日(木)

 丘の上広場には背丈の低い草が沢山芽生えてきている。その中で最も多いのがメドハギである。この仲間に地面を這うハイメドハギもある。昨年9月25日に、メドハギの花を見ている。蝶形花で、旗弁の中央に青紫色の筋模様が入っており、竜骨弁の先端が同じく青紫色をしている。ところが翼弁は純白である。背丈が高くなり、花がつくのが楽しみだが、ここの草原は開花前に刈られてしまうことがある。

 薮際にチガヤが花をつけている。チガヤは1年中咲いているように見える。この穂はよく目にするが、葉を見ることがない。見ることがないというより、見ようとしていなかった。葉は根元近くにあり、2枚ほどしかなかった。大きさ計測すると、長さが4㎝、幅が7㎜であった。小さな葉なので、注意しないと葉がないように見えてしまう。葉は茎を取り巻いており、節や葉鞘口部に毛がある

 何回見てもさっぱり分からないショウブの花に挑戦した。緑色の瘤のようなものを中心にその周りを葯のようなものが幾つか取り巻いている。この形が1つの小花に見えてきた。中央にある緑色の瘤を見ると、中央に白色のものが見える。これが雌しべになるのではないだろうか。そして、周りと取り巻いていたのが雄しべで、その先の褐色のものが葯になりそうだ。それでは雄しべは何本あるだろうか。資料2では、雄しべは6本と説明されているので数えてみた。6本ぐらいはありそうだが、1つの小花を取り出さないと、どの雄しべがどの小花のものか分からない。

 資料1:https://01hana.blog.fc2.com/blog-date-20170605.html

 資料2:http://www.asahi-net.or.jp/~zh7k-knk/shinka/03/h2.html

 ハンゲショウの葉に白色の色がつき始めた。更によく見ると、白色の葉の下のところに花序が見えている。この花序もショウブの花序のようで、小花は分かりにくいようだ。今日は小花をよく見なかったので、次回にはきちんと見たいと思っている。

 目を後ろへ移すと、山側にガクアジサイが見え、その手前にショウブ、一番手前がハンゲショウとなっている。ハンゲショウとショウブはある程度住み分けしているようだが、混生しているともいえる。この1度に3種類を見る光景には、初夏の風情を感じる。

 ヨシがなぎ倒されている。前日豪雨のような雨が降ったので、こんな姿になったのだろう。茎が細く、2mを越す背丈になれば、安定さが欠けてくるのも止むを得ない。こんな姿になっても、ヨシは直ぐに元の姿に戻てくる。自然に逆らわず、生きる巧みさには学ぶものがある。

撮影:6月14日

 記  平成29年6月20日(火)

6月23日
ムクノキ エノキ ナツツバキ イヌタデ ブタナ

ブタナ

6月23日(金)

 パークセンター前の広場の一角に小さな林がある。今まで、ここに八重紅枝垂桜があったことは覚えているが、他の樹木が植えられ、この林が出来たのは分からなかった。気づいたのはつい最近である。林の中を見ると、コナラ、ムクノキ、エノキなどがある。ムクノキとエノキは最初のうちよく見間違えた。今両方に緑色の果実が出来ている。別々に見ると、区別がつかない。それぞれの果実を計測すると、ムクノキの果実の縦1㎝、横0.9㎝に対し、エノキの果実は縦0.7㎝、横0.6㎝であった。ムクノキの果実の方が一回り大きいことになる。葉を比べると区別がつきやすい。ムクノキの葉の葉脈は平行に走り、縁で鋸歯に繋がっている。それに対し、エノキの葉脈は曲線を描き、縁で鋸歯に繋がっていない。

 パークセンターの池側にナツツバキが1本ある。先日は未だ花が咲いていなかったが、今日は咲いている。白色の花弁が5枚あり、花弁の縁は細かい刻みが入っていて、萎れているように見える。雌しべと雄しべは束になっていて、この姿がツバキによく似ている。

 水場の近くにイヌタデが咲いていた。イヌタデは、1年中咲いているように思える花だが、今年は初めて見る。花は花序になり、米粒のような小花が沢山付いている。この小花が開いたところを見かけたことがない。タデの花は多くは蕾の状態が多いが、中でもイヌタデは何時もかたく閉じているようだ。何時か開いたところをしっかり見たいと思っている。

 コリアの前の庭園に黄色い花がポツリポツリと咲いている。ここに毎年咲いてくる花で、ブタナと呼ばれている。一見タンポポの花に似るが、花茎が長く、途中で枝分かれしている。

撮影:6月14日

 記  平成29年6月20日(火)

6月24日(土)
ムラサキシキブ オカトラノオ タチバナモドキ ハゼノキ ハゼノキ

カヤ カシワバアジサイ コセンダングサ

6月24日(土)

 ブタナを見た後、藪へ入り、ムラサキシキブを見た。もう大分花が咲き出しているだろうと思っていたが、何か花のつきが悪いように思えた。咲いた花を見ると、色も薄い。紫色の花は円筒状で、先が4つに割れている。

 オカトラノオの花序が大分長くなってきた。この花は合弁花だという。多くの資料のオカトラノオは先が5つに分かれているが、ここのオカトラノオは6つに分かれている。先日、舞岡公園で見たオカトラノオには1つの花序の中に、5つに分かれているものと、6つに分かれているものとが混ざっていた。オカトラノオは葉、茎とも毛深い。

 藪から出て、下の池へ来た。ここの畔にタチバナモドキがある。先日は、白色の花を賑やかに付けていたが、いまは、果実になり始めている。果実の表面、花序の枝共に白色の毛がいっぱい付いている。果実の先端は今花が閉じたかのように、未だ雄しべや雌しべが残されている。

 テニスコートでは、相変わらず多くの人が出て、楽しんでいる。サクラの季節が過ぎると、この通りもひっそりとしてくる。コートの脇に、マルバマンサクがあったが、工事され、なくなってしまったのが寂しい。茶店の方向へ向かうと、ハゼノキが沢山の葉をつけた枝を伸ばしているのが見えた。枝の先を見ると、丸い粒が見える。果実が出来ているようだ。毎年、花は小さくて、よく見ることが出来ないが、果実になると、その存在が分かってくる。

 下の池と中の池の間の堤にカヤの樹がある。葉の付け根に緑色の球体が見られる。これは果実になるのだろうか。過って撮影した果実を見ると、表面が滑らかになっている(資料1)。ところが今見ているのは何枚かの皮で覆われている。花の時期は過ぎているので、果実への移行期と思う。

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1401.html

 カシワバアジサイが見事に咲いている。アジサイの中でも一際大きな花なので、1度見ると、強く印象に残る。葉が大きく、カシワの葉に似ているところからこの名前が付けられたという。この花は八重のカシワバアジサイになる。

 里の広場へ向かっていると、道端にセンダングサの葉が見えた。もう大分前からこの形をしたものが見え出しているが、花を見るまでは名前が決め難い。

撮影:6月14日

 記  平成29年6月21日(水)

6月25日(日)
里の広場 クリ エゴノキ アカメガシワ:雄花 アカメガシワ:雄花

リョウブ ナツツバキ ニワゼキショウ ヒメイワダレソウ ヒメイワダレソウ

6月25日(日)

 里の広場へ着いた。ここで見たいものはクリ、エゴノキ、アカメガシワである。右の藪へ入ると、クリとエゴノキがある。エゴノキにはもう花がなくなっているので、遠くからはどこにあるか分からなくなっている。坂を上り始めて、「こんなに急だったかなぁ」と思った。周りを見ると、クリもエゴノキも見えない。坂を上がりきって、一つ手前の坂を上ってきたことに気が付いた。上の道を通り、本来の坂を下った。左にクリ、右にエゴノキが見えた。クリを見ると、雄花は枯れ始めていたが、雌雄の花が残っていた。雌花を改めて見たが、針状の果実が引き立っている。エゴノキは花を終え、果実期に入っている。下へ垂れた長い花柄の先に1つずつ付いている。楕円形をしていて、三分の一ぐらいは苞に包まれている。

 

 奥のアカメガシワに近づくと、道に花が沢山落ちている。この光景を見て、舞岡公園で見た同じ光景を思い出した。間違いなく、アカメガシワの雄花である。もうすぐ咲くだろうと思っていたが、既に枯れ始めていたことになる。アカメガシワは雌雄が別株であるが、ここでは隣り合わせに雌雄の株が位置している。雄株の枝は手の届く高さに下がっているので、花は見やすい。ところが、雌株の花は高いところにあるので、毎年よく見ることが出来ない。今年も高いところにある。以前は、「雌花の基は赤く、そこから3本の雌しべが出ている」ところまで見えたが(資料)、今年はそこまでは見えなかった。

資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1819.html

 池の畔にあるリョウブと、丘の上にあるリョウブの両方を見たが、どちらも花は未だ開花していなかった。以前疑問に思った、蕾の近くにある突起については、日のよく当たる丘の上のものには少なくなっていた。この突起は蕾を包んでいた苞で、次第になくなっていくことが確認できた。

 丘を下りる途中にあるナツツバキがある。パークセンター前のナツツバキには花が見られたが、ここでは、花は1つもなかった。此方のナツツバキは大きい大木だが、パークセンター前のナツツバキは小さく細い。花の咲き方にこれだけ差があるのは、何が原因なのだろうか。

ニワゼキショウが咲いている。草の中にひょろひょろっと首をもたげるようにして咲いている姿は滑稽に見える。花は小さいが、拡大してみると、6枚の花弁をつけた花は均整がとれていて、綺麗に映る。

 ヒメイワダレソウ(姫岩垂草)が咲いている。花壇でよく見かけるランタナの花によく似ている。似ているといっても、此方は花がずっと小さい。珍しそうな花で、昨年初めてこの名前を知った。花は頭状花で、1つの頭状花は沢山の小花からできている。葉は小さく、縁に鋸歯があり、コマツヨイグサの葉を感じさせる。

撮影:6月14日

  記  平成29年6月21日(水)

6月26日(土)
ヒルザキツキミソウ アレチギシギシ アレチギシギシ 枯始めたカモジグサ タケニグサ

ナワシロイチゴ サンゴジュ サンゴジュ スイレン

6月26日(土)

 花の広場の奥には草原が広がっている。小さな花を見つけては、これは何だろうと調べていくのも面白い。時々新しいものを見た時は、その名前を調べてみたくなる。ヒメイワダレソウ(姫岩垂草)orリッピア・カネスケンスもその1つだった。いまヒルザキツキミソウがいっぱい咲いている。この花は、放っておいても夏になると沢山の花をつける。中々生命力の強い花のようだ。花弁はピンク色で、遠くから見るとヒルガオのようにも見える。近づくと花弁が4枚で、中央には黄色く、そこから伸びためしべの先端は十字形になっている。この花と同じ形だが、二回りほど小さくした花がある。ユウゲショウで、初めて見た時は、同じものかと思った。

 アレチギシギシが草原の中に高く伸びている。ギシギシは大型であるが、アレチギシギシはほっそりしていて、ギシギシを二回りぐらい小さくしたものである。葉は細いが、ギシギシと同じ形をしていて、波を打っている。花は輪状につき、花だけを見ていると、ギシギシとの違いが分からない。

 草原を見ると、つい最近まで勢いのあったカモジグサが枯れ始めてきた。ここは、イチゴツナギが繁茂し、その中にカモジグサが進出してきた。夏場を迎え、他のものへと移り変わろうとしている。下草には、恐らくカゼクサなどが準備しているものと思われる。

 ここから山の道へ入って行った。日陰になっているので、涼しい。谷の方を見ると、アジサイが見え、タケニグサが見える。その下にはクズの進出が見えてきた。アジサイは今が最盛期で、青い花が目を惹きつける。タケニグサが数本見える。タケニグサは道路わきなどの水気の少ないところにも出現する。中々生命力の強いものと思われる。クズは植物の中では最たる生命力を持っている。大きな3枚の葉をつけた太いつるを伸ばし、フェンス、電柱とどこまでも伸びて行く、正しく獰猛な植物である。

 物陰にナワシロイチゴが咲いていた。南門を入ったケヤキの林の下にはこのナワシロイチゴがたくさん見られたが花は咲いていなかった。この花を見るのは、今年2度目である。萼、花弁はそれぞれ5枚で、花弁はほとんど開かないという。左側は花弁が落ちたもので、雄しべの束が見える。右側は紫色の花弁があり、雄しべ雌しべが顔を出している。

 坂道にさしかかった所で、白色の花が見えてきた。ネズミモチの花のように見えるが、葉が大きく、表面に光沢があり、花の先は5つに分かれている。従って、この花はサンゴジュになるようだ。

 南門へ戻って来た。上の池を見ながら休んでいると、スイレンの葉の中に白く光るものが目に入ってきた。最初は、光の反射で葉が光っているものと思っていたが、違うらしい気がしたので、望遠を効かしてみた。すると、花だった。見渡すと、日陰になっている方に花はよく見えた。

撮影:6月14日

 記  平成29年6月22日(木)