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平成29年度                                                            三ツ池公園の植物へ
3月
3月11日
シュゼンジカンザクラ シュゼンジカンザクラ シュゼンジカンザクラ ソメイヨシノ カンヒザクラ

カンヒザクラ シダレザクラ シダレザクラ ヤマナラシ ヤマナラシ

ヤマナラシ

3月11日(土)

 カワヅザクラ、シュゼンジカンザクラ、カンヒザクラが咲き、既に、サクラの季節は始まっている。もう直ぐオオシマザクラやソメイヨシノが咲き、サクラの最盛期を迎えることになる。1日、1日が気になって来た。

 南門へ近づくと、ピンクの花が高く聳え、サクラが満開に咲いていることが確認できる。入口にあり、今満開になっているサクラと言えば、前回咲き出したシュゼンジカンザクラである。南門を入ったところには3本のシュゼンジカンザクラがある。そのうち2本が満開になっている。

 シュゼンジカンザクラの向かい側にあるソメイヨシノの状況を見ると、冬芽の先端が緩み、黄緑色の部分が現れ、動き始めたことが確認できた。いよいよ開花へ向かい始めたようだ。

 坂の途中にあるカンヒザクラは早くから咲き始めたこともあり、既に満開を過ぎ、枯れて落ち始め出した。下向きに咲いている姿にも以前程の瑞々しさがなくなり始めている。

 丘の上の広場にあるシダレザクラにもはっきりと動きが出てきた。上の方や。枝先にピンクの花が数個ずつ開き始めている。このサクラの萼筒に顕著な凹みがあり、エドヒガン系であることを知ることが出来る。

 前回、中から毛に包まれたものが出始めて来た。その後どうしたかと知りたかったが、毛に包まれた部分が更にはみ出して来ただけで、変化を知ることはできなかった。

 近くに白色の幹をした細い樹が目に付いた。何の樹だろうかと、見ると、上の方の枝には冬芽が付いているように見えた。早速写真に撮ってみると、今見ていたヤマナラシと同じであった。この白色の幹が年数を踏むと、表面が黒ずみ、ひび割れの皮目を生じることが分かってきた。

撮影:3月9日

  記  平成29年3月9日(木)

3月12日(日)
ヤマナラシ カンヒザクラ ヤブツバキ オトメツバキ ミツマタ

ミツマタ サンシュユ サンシュユ ネコヤナギ ヨシ

3月12日(日

 この冬を通し、丘の上の広場にヤマナラシの樹があることを知った。1本だけかと思ったら、直ぐ傍の白色の幹をした樹もヤマナラシであった。調べてみると、ヤマナラシは、日当たりのよい山地に普通に見られる樹ということなので、ここに自然に生えてきた樹かも知れない。

 丘の上の広場のウメの樹は、どれも花が散ってしまい。ウメの時期が終えたことを告げていた。広場から道へ下りたところにカンヒザクラがある。坂の途中のカンヒザクラは満開を過ぎていたが、ここは満開のようだ。坂を下ろうとすると、赤い花が目に入って来る。

 パークセンターへ通じる道沿いにいろいろなツバキの樹が植えられており、花をつけ始めたようだ。ツバキにもいろいろな種類があるので、名前はよく分からない。この赤いものはヤブツバキらしい。ピンクのこのツバキはオトメツバキとなっている。

 パークセンターの広場へ出たら、ミツマタが目立ってきた。先日、黄色く色づき始めたのが、さらに広がり、頭状花がひと回り大きく見えてきた。先日、オニシバリの花を調べていた時、オニシバリはジンチョウゲ科の花であり…と説明がされており、その中で、ミツマタが同様にジンチョウゲ科の花であると触れられていたたことを思い出した。花はチンチョウゲによく似ている。ミツマタの花弁に見える部分もジンチョウゲ同様に萼だという。外側は白色の絹毛で覆われ、内側が黄色くなっている。

 サンシュユの花弁が球状の総苞片の殻を破り、外へ出て来た。真黄色な花弁が4枚、雄しべも4本見える。1つ1つの花は小さいが、よく見るとその繊細さに驚く。

 「ネコヤナギに変化が現れて来ているのでは・・・」と見ると、2個ほどの冬芽が、赤褐色の殻を破り、中から白銀の毛に包まれたものが現れてきたが、多くの冬芽には変化が現れていなかった。

 沼を見ると、黄緑色の新葉が見えてきた。大きくなったヨシや刈られたヨシの姿はよく見かけるが、この様な新葉に目を向けたことは今までなかった。刈られた茎の基からではなく、沼地の中から新しい茎を立て、伸びてきているようである。草木の新葉は目立つが、ヨシの新葉もまた別の趣がある。

撮影:3月9日

記  平成29年3月10日(金)

3月13日(月)
ブンゴウメ ブンゴウメ コウバイとハクバイ コウバイ ハクバイ

サンシュユ サンシュユ ムラサキシキブ

3月13日(月)

 パークセンターの隣にコリア庭園がある。三ツ池公園の中でも、ここは日頃よく手入れがされていて別格な存在になっている。その庭園の入り口のブンゴウメが満開になった。色々なウメを見ていくうち、このブンゴウメの萼が真紅で、開花時には反り返ることが分かってきた。しかし、未だ、アンズとの違いは分からないままである。また、アンズとブンゴウメの雑種もあるという。「奥が深いなぁ」と思っている。

 庭園は白砂利が綺麗に引かれ、美しい庭園を醸し出している。門を入ったところにコウバイ、ハクバイがある。先日コウバイを見た時は勢いがなく、花が終わってしまったのではと思っていたが、今見ると花がよく咲いている。先日の見方が不十分であった証拠になる。ハクバイは前回同様よく咲いている。でも、花数は昨年よりは全体に少ないようだ。

 先程、沼の近くのサンシュユの小花が外へ出て来たことに触れたが、ここのサンシュユは見事に咲き誇っている。このサンシュユを見た時、暫くここで足が止まった。来た人、来人が、「うわーすごい、満開だね」と声を上げている。この姿が満開の姿になるのだろう。手入れが行き届いているので、樹形からして見事そのものである。

 コリア庭園の脇からいつも見るムラサキシキブのある藪へ入って行った。藪の中の足元は大分整理され歩きやすくなっていた。しかし、よく見ると、ムラサキシキブの本数が大分少なくなっているようだ。小さな小枝が整理されたのかも知れない。しかし、ムラサキシキブの冬芽を見るのには支障がなかった。冬芽は枝から対生に伸びている。この冬芽は裸芽で、よく見ると、葉を連想できる。

撮影:3月9日

記  平成29年3月10日(金)

3月14日(火)
フゲンゾウ ベニオオシマ ケンロクエンキクザクラ カンザン ソメイヨシノ

3月14日(火)

 コリア庭園から下ノ池沿いにいろいろな種類のサクラの樹が植えられている。今は見ても変哲の無い風景だが、あと1月もすると、別世界へと変身する。現在の冬芽の様子を見て置きたいと思い、撮影した。ただ、冬芽は望遠で撮影しなければならないので、焦点の合わせが上手くいかなかった。

 「フゲンゾウの花は、二本の突き出た雌しべの形が象の鼻に似ているという変わりものである」というが、まだ、このような形をした花を見ていない。何時かみたいと思っている。冬芽の写真を撮ったが、以前ほど鮮明でなかった。今の段階で分かることは、他の冬芽より細長いという程度である。

 ベニオオシマ、名前からオオシマザクラの赤味が強いサクラを連想する。昨年の記録によると、「赤く色づき、八重になっている。萼筒はオオシマザクラに似ており、緑色で、毛が無い」と記録している。この写真も鮮明に撮影できなかった。見た感じはオオシマザクらに似ている。先端の部分に黄緑色の部分が現れ始めている。

 兼六園菊桜がある。ヨコハマヒザクラの片方の親としてケンロクエンクマガイのサクラの名前は知っていたが、同じ兼六園の名前がつくもので、「兼六園菊桜」という名前を知ることになった。ところが調べていくと、兼六園菊桜が大変有名なサクラであることが分かって来た。資料によると、日本で一つしかなかった天然記念物と言われ、兼六園には2代目が現存されている。一つの花に花びらが300枚以上つく見事なヤエザクラで、2週間ぐらいの間に濃紅、薄紅、白と色が変わっていく特徴があるという。今年はぜひ見てみたいものである。冬芽の写真を撮ったが、この写真も鮮明でないのでよく分からない。冬芽の芽鱗は暗赤色で、毛がないように見える。オオシマザクラの冬芽に近いような気がする。

 資料:http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/point.html

 カンザン、このサクラは自宅近くの公園にある八重のサクラと同じと思われる。この冬芽は日頃よく見ている。楕円形で、赤褐色をした冬芽である。芽鱗の表面には毛がないようだが、縁には多少毛があるようだ。この花はソメイヨシノよりも開花が遅い。

 ソメイヨシノの冬芽は先程見てきたが、再度見直してみた。見たところ大分膨らみ、大きくなってきたようだが、計測すると、長さは9㎜ぐらいで、それほど大きくはなっていない。芽鱗は毛深いが、冬芽の先の方が明るい色に変わってきていることが分かる。

撮影:3月9日

  記  平成29年3月10日(金)

3月15日(水)
オカメザクラ ヤマザクラ ヨコハマヒザクラ ヨコハマヒザクラ アカメガシワの切株

トウカエデ オオカンザクラ オオカンザクラ

3月15日(水)

  テニスコートの脇の道路を隔てたところに2本のオカメザクラがある。先日は冬芽が赤くなり始めていたので、今日は咲き始めていると思って来た。見ると、ほぼ満開になっている。ただここは日陰になっているので写真の写りが悪い。オカメザクラはもう1ヶ所で撮影ができるのでここは早く切り上げた。

 茶店の前へやってきた。ここの広場にはヤマザクラがあるので、いつもこのサクラの撮影に挑戦している。しかし、冬芽は高いところにあるので、撮影に成功することはない。今日も出来は良くなかった。ヤマザクラは開花がソメイヨシノより遅いので、冬芽が小さく感じる。この写真からでも、他のサクラの冬芽とを比べると、小さく、細く見える。芽鱗の表面には毛がないようだ。

 下ノ池と、中の池の間の堤に出ると、ここはヨコハマヒザクラの観察地に適している。花時は両岸にヨコハマヒザクラが咲き誇り、大勢の人が出て動かなくなる。冬芽は見るからに大きく見える。計測してみると、長さが1.3㎝あり、縦方向に伸びてきていることが分かる。冬芽の3分の1ぐらいが明るい黄緑色になってきている。

 池から離れ、里の広場へ入ってきた。右側は小高い藪になっており、コナラやクリなどが見られる。ここの奥へ入ると、アカメガシワが何本かが見えてくる。そのアカメガシの変化を見ようとして進むと、期待していたアカメガシワは全て伐採され、藪を飾っていた樹がなくなっていた。何か計画があってのことだと思うが、先日の、マルバマンサクと言い、今日のアカメガシワと言い、日頃見ているものにとっては残念なことである。

 アカメガシワの観察をあきらめ、里の広場の高台へ上った。ここでは新しいサクらの苗木が移植され、新しい名所づくりが進んでいる。この丘にはトウカエデの樹が数本あり、冬芽を見るのに都合がいい場所になっている。この冬芽は、コナラの冬芽に似ており、よく目にしている。

 ここの丘を越えると、ローラー滑り台があり、その横にオオカンザクラがある。先日はこのオオカンザクラを見忘れて、後になって気が付いた。今日は最初から忘れないように注意していた。オオカンザクラは西斜面にあり、頭が地面近くまで下がり、大きく傾いている。このままだと、あと何年生き延びるか大変気になる。オオカンザクラはカンヒサクラとオオシマザクラの交配種ということで、赤味のある、早咲きのサクラである。撮影時は日陰になっていたので、花が白色に見える。蕾を見ると、カンヒザクラによく似ている。

撮影:3月9日

  記  平成29年3月10日(金)

3月16日(木)
シュゼンジカンザクラ ツバキカンザクラ エドザクラ オオカンザクラ オカメザクラ

3月16日(木)

 この丘を越えると花の広場の奥へ出て、そこにシュゼンジカンザクラ、ツバキザクラ、エドザクラなどがある。ただ、ここの午後は何時も日が陰っている。シュゼンジカンザクラは、三ッ池公園でも場所によって様子が違っている。南門では、満開で、パークセンターでは花を終えていた。ここのシュゼンジカンザクラは花期の最盛期は通り過ぎたようで、葉が出始めている。

 シュゼンジカンザクラの直ぐ隣にツバキカンザクラがある。ツバキカンザクラはシナミザクラとカンヒザクラの交雑種であるという。シナミザクラは雄しべが長いので、このことを念頭にして、ツバキカンザクラを見直すと、雄しべが心持ち長く見えてくる。

 エドザクラの名前は最近耳にした名前である。大辞林 第三版の解説によると、「ソメイヨシノの別名」の説明がある。ところが、ウイキペディアによると、「サトザクラの一種であり、元々荒川堤に植わっていたとされ、江戸に多いことからこの名がついたとされる。八重咲きの品種である」と説明されている。昨年の記録によると、エドザクラの花はピンクの八重でであった。いまは、このエドザクラだけが冬芽の状態である。冬芽は暗赤色で、表面に毛はなく、カンザンの冬芽に近いように見える。ソメイヨシノの冬芽とは明らかに違っている。

 花の広場の入り口に来ると、ここに大きなサクラの樹があり、「大寒桜」と記名されている。従って、ローラー滑り台のところで見たものと同じサクラになる。ここの方が花がよく見える。大きそうに見えたので計測すると、花径は2.5㎝であった。測り方にもよるが、見掛けよりも大きくはないようだった。

 第2番目のオカメザクラのところへ来た。先程は、日陰になっていたので、ここを当てにして詳しくは見てこなかった。ところが、ここへ来ると、ここもこの時間には日陰になって仕舞っていた。でも、ここは下の方に花があるので、多少条件がいい。オカメザクラの花はカンヒザクラと同じように皆下向きに咲いている。また、オカメザクラはカンヒザクラとマメザクラの雑種と言われ、花はつぼみ加減で、小さいように見えるが、花径を計測すると、2.5㎝あり、決して小さくはない。

撮影:3月9日

  記  平成29年3月10日(金)