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平成29年度                                                            三ツ池公園の植物へ
5月
5月1日
イモカタバミ ウンアナンロウバイ ヤブジラミとカモジグサ カモジグサ ヤブジラミ

ヤブジラミ ホオノキ キンラン

5月1日(火)

 ハナミズキの下を見ると、ここにも初夏の草が沢山出てきている。その中でも目を惹いたのは赤紫色をしたイモカタバミあるいはベニカタバミである。カタバミと聞くと、よく見かけるのは黄色に花である。このカタバミは濃い赤紫色をしており、葉の表面には伏せ毛がある。カタバミについて調べると、色々な種類があり、このカタバミがどれになるのか特定が難しい。

 ウンナンオウバイの黄色い花もきれいである。オウバイ、ロウバイは名前が似ていると同時に花も似ている。ウンナンロウバイというものもある。ロウバイは花弁が蝋黄色をしていて艶ある。オウバイの花弁は蝋黄色でなく、純粋の黄色である。この花の花弁は蝋黄色をしていないので、オウバイに入る。

 叢を見ると、カモジグサ、オヤブジラミが見える。もうこんなに大きくなったのかと吃驚した。カモジグサは長い穂が頭を垂れるようにしているので、分かりやすいが、この仲間にもいろいろあるらしい。オヤブジラミは花が小さく、似たものが幾つかある。茎には毛があり、総苞には棘のような長い毛がある。花は白色かと思っていたら、先の方が紫色を帯びている。

 草木が沢山見え出したので、水辺の広場付近を見ていただけで大分時間がかかってしまった。まだスタートしたばかりで、今日の目的のサクラを求めて先へ進んだ。上の池の角にホオノキがある。枝先を見ると、白色の花が咲いている。枝は水面に伸びているので、此方からは逆光になり暗い。角をまわり、日の当たる方から花を見た。手前にあるサンゴジュの葉が邪魔をしている。でも、何とか花を捉えることが出来た。花弁は8枚見える。ホオノキの花は大きいだけに見応えがある。

 中ノ池に沿って歩き出した。右側の土手には、季節によって珍しいものが見えてくる。注意して見ていくと、黄色い花が見えて来た。まだ蕾で、開いていないようだ。キンランである。別の場所で、1株だけ見た記憶がある。ここでは、1株ではなく、幾株も見つかる。キンランは絶滅危惧種に指定された貴重な花と言われている。

撮影:4月28日

 記  平平成29年度4月29日(土)

5月2日(火)
ホウチャクソウ イヌムギ ハルガヤ ネコヤナギ ヨシ

チガヤ ムクノキ:雄花 ムクノキ:雄花 ムクノキ:雄花 エノキ

エノキ

5月2日(火)

 パークセンターの広場へ出た。遠足日和で、園児や小学生が沢山来て賑わっている。水路伝いに進むと、沼地にも緑が復活してきていた。この細長い葉はショウブになる。崖沿いに進むと、白色の釣鐘のような花が見えて来た。先日別のところで見たホウチャクソウである。ホウチャクソウは枝の先に花をつける。

 ヨシのある沼へ向かっていると、道端にイネ科の草が大分生えていた。あっという間にこのような光景に変わってきた気がする。この大きな株はイヌムギのようだ。小穂は扁平で、5~6個ぐらいの小花がある。小花は未だ咲いていないようだ。

 イネ科の見慣れないものが株をなしている。株元から花茎を出し、その先に細長い穂を付けている。資料1の「イネ、スゲ、イグサの仲間たち」の写真を見ていくと、ハルガヤの名前が出ていた。そこで、ハルガヤで検索し資料2を見た。よく似ている。詳細は調べていないが、恐らく、このハルガヤになりそうだ。

 資料1:http://www5e.biglobe.ne.jp/~skyhight/wh/pcj.htm

 資料2:http://matsue-hana.com/hana/harugaya.html

 沼を見ると、もう水面が見えなくなるほどヨシが覆っている。新緑の葉が美しい。向かい側を見ると、また新しい世界が広がっていた。これはチガヤだろうか。チガヤは12月23日にも見ている。随分花期が長い気がする。チガヤは湿った環境を好むのだろうか。12月は、水が干し上がった沼地だった。ここは直ぐ近くに沼地がある。以前田植え前の水田地帯に広々と咲いていた光景が印象に残っている。

 ムクノキを見ると、花が咲いていた。今までムクノキの花を見た記憶がない。記憶がないというより、高いところに花が咲くので、花の存在が分からなかった。ここのムクノキは花のついた枝が下の方にあったので、花を直接見ることが出来た。しかし、1つの花が小さく、それが沢山かたまっているので、詳細は分かりにくい。写真を撮り、調べてみると、葯が見えるが雌しべが見えない。資料を当ると、ムクノキは雌雄が同株で、雄花と雌花があるという。すると、今見ているのは雄花になるようだ。雄花は花弁が5枚あり、雄しべが5本ある。雌花はなかなか見つからなかった。再度資料に当ると、雌花は枝の先に出来るというので、写真を見直した。すると、1つの雌花が見つかった。「雌花の花弁などは見えないが、毛に包まれているのが雌しべらしい」と分かった。先が分かれ、2本になっている。

 資料:http://zasshonokuma.web.fc2.com/magyo/mu/mukunoki/mukunoki.html#hana

 直ぐ隣にエノキがあったが、花が終わり、既に果実になって仕舞っていた。このエノキもムクノキと同様、今まで高いところのものを見ていたので、花を見ていない。今年もチャンスを逃してしまった。

撮影:4月28日

 記  平成29年度4月29日(土)

5月3日(水)
タツナミソウ ミゾイチゴツナギ ミゾイチゴツナギ フゲンゾウ フゲンゾウ

フゲンゾウ カンザン カンザン ヤマザクラ ヤマザクラの果実

5月3日(水)

 先日、コリア庭園の花壇でアンズ見ることが出来、アンズとブンゴウメの違いを知ることが出来た。今頃はアンズに果実が出来ているだろうかと、コリア庭園へ入って行った。

 早速アンズの樹のところへ足を向けた。枝を下からくまなく見たが、果実は見当たらなかった。落下したものがあるかと探したが、やはり見つからなかった。どんな果実だろうかと知ろうとしたが、今日はその目的が果たせなかった。

 アンズの樹の下を見ているとき、青紫色のタツナミソウが見えた。先日、タツナミソウは奥の藪の方にあったが、今日は目の前に現れていた。先日、ここにジュウニヒトエがあったが、もうその姿がなくなっている。タツナミソウは唇形花で、上唇、下唇があり、口を開けたような作りをしている。中々魅力的な花である。

 奥を見ると、先程見て来たイチゴツナギが見える。茎が細いので、遠くからでは詳細が分かりにくい。節から出る本数を数えると、2本ぐらいで少ない。これは、イチゴツナギの中のミゾイチゴツナギになるようだ。先程見たイチゴツナギも写真を見直すと、同じようにミゾイチゴツナギのようだった。どちらも見つけたところは日陰と共通している。

 上の池沿いの園道へ出て、フゲンゾウを見に進んだ。花は無くなっているかと心配していたが、まだ残されていた。沢山の葉が出てきており、残された花にはみずみずしさは無くなっていた。フゲンゾウの名前は、緑色の雌しべが、普賢菩薩が乗った象の牙に見立てたものとか、鼻に似ていることからという説がある。緑色の雌しべは2本あるので、鼻に似ているとの説には疑問が残される。牙の方に落ち着くと思うが、またこの説も謎めいている。資料では、「平安時代(12世紀中頃)に描かれた『普賢延命菩薩像』の像の牙が、緑がかっている」点を根拠にしているが、写真を見ると、緑がかった牙とはいいがたい。また、名付けた人が、このような絵を見るような人だったとは、謎が多すぎる気がする。

 資料:http://www.geocities.jp/kbg_tree/sakura-fugen/albo-rosea.html

 ソメイヨシノは種子ができにくく、また、種子が出来たとしても、発芽しないという。何時もならこの時期は素通りしてしまうのだが、傍を通った時、果実が目に入って来たので、足が止まった。花柄にある沢山の白色の毛は、花の時の名残がそのまま残されている。果実の大きさを計測すると、長さ8㎜、幅6㎜であった。

 テニスコートの横はカンザンの並木道になっている。ここのサクラのトンネルを見たかったが、時期を逸してしまった。もうカンザンには花が少なく、葉が多くなっている。それでも、ここのカンザンの写真を残しておこうと、良さそうな花を探した。カンザンの雌しべの葉化の様子を確認した。雌しべの葉化の様子を考えると、先程のフゲンゾウとの違いを知りたくなった。「カンザンの方が、色が濃い」との説明が多いが、時期によって違うので、決め手にはならないようだ。

 茶店の前のヤマザクラのところへ来た。花は一輪も見つからない。花の終えた残骸や、出来立ての果実が並んでいる。葉が出てくると、重くなったせいで、枝が下がってきた。花の時期よりも多少は見やすくなった気がする。果実の柄は細く、毛がない。ここにも花の時の名がりが残されている。果実の大きさは捉えることが出来なった。

撮影:4月28日

 記  平成29年4月30日

5月4日(木)
梅護寿数珠サクラ 紅華 コデマリ アカメガシワ 菊桜

>紅時雨 楊貴妃 ツツジ 泰山府君

5月4日(木)

 梅護寺寿数珠掛桜いう聞きなれないサクラがある。原木が新潟県京ケ瀬村の梅護寺にあるという資料以外には参考になるものがなかった。多くの花は散って仕舞っていたので、残された花を望遠で撮影した。薄いピンクのヤエザクラであること以外の詳細は不明である。

 紅華も殆ど散って仕舞っていた。ヤエザクラは雌しべが葉化する傾向があるのだろうか、この写真でも緑色のところがあったので、以前の写真で確認してみた。すると、やはり雌しべが緑色になっている。

 池を見ながら進んで行った。この辺にヒュウガミズキがあったが、と思ったが、花の無い今では、気が付かないで通り過ぎてしまう。代わって現れて来たのはコデマリである。白色の玉のような花を咲かせる、「コデマリ」とは、この花にぴったしの名前である。遠くからは、花が少なくなったユキヤナギに似ているが、また別の趣がある。

 里の広場へ来ると、ここにもたくさんの人がいた。広場の中へ入っていくと、伐採されたアカメガシワの切株がいやでも目に入って来る。ここのアカメガシワは明るく写真が撮りやすかったが、今はそれが出来なくなってしまった。いつも見る奥のアカメガシワへ向かった。もう枝からたくさんの葉が出てきている。低い枝を選び、下げてみた。新しく出てくる中心の葉が赤紫色で綺麗である。葉が大きくなると、この色が薄くなっている。

 小高い丘に上り、新しいサクラの様子を見た。菊桜がある。菊のような花を咲かせるから菊桜と名付けられたように見受ける。乏しい資料の中に、花弁は50枚以上という資料があった。花径が3.5~4.0㎝と比較的大きめな花である。

 資料:http://www3.omisebatake-isico.com/blog/2009/04/0904kikuzakura.html

 紅時雨というサクラもある。見栄えがいいヤエザクラは品種改良が進み、多くの種類がつくられてくるようだ。

 この花も花径は4.5cmある。やはり雌しべは葉化しているようだ。

 薄いピンクの楊貴妃がある。楊貴妃の名前は美しいものの代名詞のようだ。確かウメにも同じ名前があった。振り返って見ると、薄いピンクの綺麗な花だった。薄いピンクという点は共通している。このサクラも大きい花だったと思う。

 ぽつんと離れたところに泰山府君というサクラがあった。「これは何と読むのか」から考えてしまう。資料1によると、「たいざんふくん」あるいは「たいざんぶくん」と読むとのことだ。泰山府君とは、資料2によると、中国の泰山の神で、人の寿命・福禄をつかさどる神だという。また、資料3では、「桜の花の延命を祈るため、泰山府君の祭事をおこなたことに由来します」と名前の由来が説明されている。名前からして、神事に関係ありそうだと分かるが、このような由来から名づけられたとは信じがたい気がする。白色から薄いピンク色の花である。

 資料1:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

 資料2:『三省堂 大辞林』

 資料3:http://www7b.biglobe.ne.jp/~cerasus/cera-tn/c-taizan.html

の高台ではツツジが咲き始めている。球形に形が整えられた大きな株が何ヶ所かにある。ウメ、サクラが終わり、いよいよツツジの季節が到来してきた。草木の花を見続けていると、草木に追いかけられるようで、時の経つのが早く感じられる。

撮影:4月28日

 記  平成29年4月30日(日)

5月5日(金)
リョウブ 中の池 サツキ ギョイコウ 天野川

カモガヤ カモガヤ ウコン

5月5日(金)

リョウブを見ると、葉は新葉というよりも、既に普通の葉に成長していた。冬芽から見続けていたと思ったら、記録を見ると大分間が空いていたので吃驚した。手軽に見られると軽視していたのかもしれない。リョウブの葉は枝先に集中している。楕円形で、中央付近の幅が一番広い。先は急に細くなり、短い尾状になっている。基の方は次第に細くなり、くさび形になる。葉の縁は、基部以外には鋸歯がある。

 サクラが終わった中の池を見ると、緑一色に変わっている。今までの華々しさが嘘のように静まり返っている。時にはこのような景色を見るのも心の癒しとなる。

 花の広場へ入った。先日気が付いたフゲンゾウを見た。多くの花は散って仕舞っている。ここでも雌花の葉化を確認した。奥へ進むと、先日まではベニシダレが見事に咲いていたが、今は花をつけていない。花がなくなった花の広場には寂しさがある。園児が2人母親に連れられてやってきた。2人は親の心配を向こうに元気に走り回っている。目が園児を追っていると、赤いサツキが目に入ってきた。右側は花のつきが悪いので、左側だけ写真に収めた。真紅の花がぎっしり咲くと、やはり見応えがある。

 花の広場の奥に色々な種類のサクラがある。先日見た時は、多くが冬芽や咲き始めたばかりの状況だったが、今は殆どが花期を終え、花が少なくなっていた。ギョイコウを見た。緑一色だった花に赤い模様が入ってきている。色も緑色が薄くなり、黄色みがかっている。

 天の川に僅かに花が残っていた。天の川についての資料は少なく、「荒川堤から全国に広がったサクラで、枝が横へ広がらず、花も上を向いている」との説明はあるが、詳細を説明した資料見つからない。花は白色に見えるが、薄らとピンクがかっているようだ。

 先程、ホオノキの花を見たのを思い出した。ひょっとしたらタイサンボクが咲き出すのではと思い付き、タイサンボクを探すことにした。タイサンボクは、園道を進んで行くと右側の谷間にある。しかし、探してみたが、見つからなかった。見過ごしたのかもしれない。諦めて戻ってきた。坂を下り始めると、カモガヤやイヌムギが群がっていた。カモガヤは毎年ここで見かける。

 今日の予定を終えて、そろそろ帰ろうとした時、何か忘れているような気がした。今日見る予定の中で、何を見落としているか考え直すと、ウコンを見ていなかったことに気が付いた。そこで、もう1度中ノ池へ戻って、ウコンを探した。ウコンはコリア庭園の近くにあった。殆ど花がなかったので、通り過ぎていってしまったことに気が付いた。案の定、写真に収めるような花はなかった。黄緑色の花ということだが、今は、末期の赤みがかった花に変わっていた。

撮影:4月28日

 記  平成29年4月30日(日)

5月6日(土)
ベニバナトチノキ ベニバナトチノキ ベニバナトチノキ ミズキ 左:ヒメシャラ右:ナツツバキ

イチョウ:雄花 イチョウ:雄花

5月6日(土)

 パークセンターから丘の上広場へ向かった。ここの坂道の途中の藪の中にベニバナトチノキがある。花は未だだろうと思いながら見ると、梢に赤いものが見えた。花が咲いていると思えた。普段はこの中へ入ることはない。運よくベニバナトチノキの花を見ることが出来た。1つの小花が大きく、それが沢山連なり大きな花序をなしている。この花には雄性花と両性花があるという。そこで写真で調べてみると、上の方の花は雄性花が殆どである。両性花はどこにあるかと探していると、下にある花にめしべが見えた。これが両性花になるのではないかと思う。

 丘の上広場の横の道にホオノキが並んでいる。花が見られるかと、上の方を見ると、葉の影になっている。花は確認できたが、写真には撮れなかった。そこから少し進むと、白色の花が見えた。これはミズキではないかと思った。ミズキの白色の花は、階段状に咲く。この景色は遠くからもはっきり分かる。いよいよミズキの季節の到来かと思えた。

 ここから斜面を下ると、右側にケヤキの林があり、左にはヒメシャラとナツツバキがある。ケヤキの花を毎年見そこなっているので、様子を見た。新葉は沢山出ているが、花は未だのようだ。ヒメシャラの方に目を移すと、3本のうち1本が枯れているように見えた。どうも、ナツツバキが枯れてしまったように思える。普通なら、もう新葉が沢山出ているはずだが、1枚の葉もついていない。

 南門へ下りると、広場に黄緑色の枯れた花のようなものがたくさん落ちていた。コナラやスダジイの花ではない。何だろうかと一時戸惑った。付近を見ると、イチョウやサクラがある。そこで、この正体が分かった。これはイチョウの雄花になる。先日イチョウの雄花を見たばかりだったので、直ぐに結び付いた。それにしてもイチョウを見ていた時は、こんなに沢山ある雄花には気が付かなかった。

撮影:4月28日

 記  平成29年4月30日(日)

5月16日(火)
ワレモコウ スダジイ スダジイ ヤマナラシ ヤマナラシ

イヌトウバナ イヌトウバナ

5月16日(火)

 夏の草が成長著しく、イチゴツナギなどのイネ科の草が大分増えてきた。調べるのに事欠くことはないが、類似のものが多く、区別が難しい。今日は先日、開きかけていたギンランがどうなったか見に出かけた。丘の上広場から上の池へ下りるコースで進み始めた。 

 坂の途中の右側にナツツバキ1本とヒメシャランキが2本ある。先日、ナツツバキの樹が枯れたことに触れたが、今日見ると、未だに1枚の葉もついていないので、枯れたことが明白と分かる。向かい側のリョウブの様子を見ようと道を下りると、ワレモコウの葉が見えて来た。「ここにワレモコウがあっただろうか」と考えたが、記憶に残っていない。ワレモコウの葉は、楕円形で、先が丸くなっている。縁の鋸歯は先端が尖るが、丸味があり、粗い。

 丘の上広場へ上ると、スダジイの樹の梢に黄白色の花が咲いているのが分かった。見ると、花は峠を過ぎたようで、風もないのにぽろぽろと落ち出していた。まず雄花の写真を撮り、次に雌花の写真を撮った。スダジイの花について何度か調べたことがある。

資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-977.html

牧野植物図鑑によると、

雄花・・・萼は5-6裂し、雄しべは15個内外。

雌花・・・花柱が3個ある。雌花の穂は下部の葉腋から出て短く・・・。

雄花の写真を撮り終え、雌花の写真を撮ろうとした時、カメラには花粉がいっぱいついていた。「レンズは・・」と気になってみると、やはりレンズにも一杯付いていた。雄花は、いま花粉を飛ばし、落下し始めている最中ということが分かる。雌花の花柱が3個あるとことを確認した。雌花は、雄花の枝とは別の枝に互生している。薄い黄緑色の3本の指を掲げているような姿をしている。

 昨年から注目したヤマナラシの樹へ来た。もう、あのけばけばした花の姿はない。葉は互生だが、枝の先に集中している。一見ミズキの葉を思わせるような広い楕円形だが、縁には鋸歯があり、表面に艶がある。

 丘の上広場の奥には、昨年確認したイヌトウバナがある。今は葉だけだが、メモを取った。恐らくイヌトウバナになるだろうが、花が咲くまでは確信が持てない。

葉の形細長い卵形葉の表脈状に毛がある
葉の大きさ 長さ3.5㎝、幅2.2㎝ 葉の裏脈状に毛がある
葉脈 7対 腺点がある
鋸歯粗く、鋭くない

撮影:5月11日

 記  平成29年5月11日(木))

5月17日(水)
トベラ ニガナ オニウシノケグサ オニウシノケグサ 上の池

中の池 トボシガラ トボシガラ

5月17日(水)

 丘の上広場の奥へ入って行くと、白色の花が見えた。「シャリンバイかなぁ」と思ったが、葉が細長いので、違うような気がした。葉が花を円状に取り囲むようにしている姿からトベラではないだろうかと思い付いた。念のため、資料と照らし合わせて調べてみた。葉の先端が丸いヘラ型をしている。表面は光沢があり、縁が裏側へ反り返っている。花は円筒状で、先が5つに割れているように見えたが、資料によると、花弁は5枚となっているので、離弁花になるようだ。トベラは雌雄が異株というので、再度花を見直すと、この花は雄しべが顕著なので、雄花になる。従って、このトベラは雄株になりそうだ。

資料:牧野新日本植物図鑑

 オニタビラコに似た黄色い花が目に付くようになった。1つの頭状花を見ると、花が5枚とオニタビラコよりずっと少ない。この花は先日別のところで見ている。場所は田の縁だった。ここはどちらかと言えば山である。ニガナと思うが、ヤマニガナというものもある。どこが違うのだろうか調べ始めると、資料では8種類の名前が挙げられていた。こんなに沢山あるのかと驚いた。ニガナ以外は舌状花の枚数が7枚以上になっている。また、ヤマニガナはアキノゲシ属で別物と分かってきた。

 資料:http://www2.atpages.jp/watarubuu/nigana.htm

 ニガナの近くに穂がたなびいているものがあった。全体が線状に見えるが、先が花序になっていて、節から数本の穂が出ている。一寸見たところ、先日見たトボシガラのように見えた。しかし花序を見ていくと、小花にノギがないのでトボシガラではないようだ。拡大してみると、小花の先が紫色を帯びている。この小花はオニウシノケグサに見えて来た。背丈が低く、たなびくように穂が垂れていたので、全く別物と思えたが、小さいというだけで、オニウシノケグサには変わりがないと思った。

 丘の上の広場から坂を下って上の池へ向かった。途中にカクレミノがある。果実が出来ているかと見たが、まだ何も見えなかった。仕方なくそのまま下りることになった。上の池と中ノ池を見た。サクラの時期の華やかさがなくなり、緑一色の風景になっている。緑は目にいいというが、この景色を見ていると、雑念が取り払われ、落ち着いた気持ちになれる。人の精神にもいい影響があるようだ。

 そのまま池に沿って進んで行くと、先程オニウシノケグサを見ていた時思い付いたトボシガラが出て来た。オニウシノケゲサの小花にノギがないが、トボシガラの小花にはノギがある。この花には確かにノギがある。一寸した成長の仕方、見方で他のものと見違えるものが沢山ある。詳しく見ることの大切さがわかる。

撮影:5月11日

 記  平成29年5月13日(土)

5月18日(木)
ナワシロイチゴ エゴノキ ヤマユリ ホトトギス ショウブ

ワスレナグサ

5月18日(木)

 水田の畔や野原などでヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴなどを見てきた。また先日はミツバチグリを見つけ、感動した。同じイチゴの名前がつくものにナワシロイチゴがある。池沿いに歩いていると、偶然このナワシロイチゴが見つかった。今までのはいずれも黄色い花であったが、これは紫色で他のものとはすぐ区別がつく。この花は葉、茎をはじめ全体が毛深く、萼は反り返る。この花弁が開いた時を見かけたことがない。調べてみると、ナワシロイチゴの萼は開くが、花弁は開かないという。

 池側にエゴノキがあったことを思い出し、花を見逃してはいけないと思い、戻った。見るとまだ蕾だったので安心した。花が咲いていなかったので、気が付かず通り過ぎたことが分かった。大きくなった白色の蕾が幾つも枝から垂れさがっている。あと数日で咲きそうに見える。

 山側を見ると、ヤマユリと思われる茎が長く伸び始めている。「細い茎なのによく倒れないなぁ」と感心する。昨年は支柱がされていたが、今年はこれからするのだろうか。更に茎が伸び、大きな花を付けたら、このまま真っ直ぐに伸びて行けるだろうかと心配になる。

 葉に斑点模様が入ったものがある。これはホトトギスになる。今真っ直ぐ伸びているが、花をつけるときには茎が斜めに傾いてくる。そして、一見蔓性のように見えてくる。茎、葉が毛深く、直立している姿が、花が咲いたときのイメージから考えると、異様に見える。

 何時もは山越えをしてパークセンタ広場へ来るのだが、今日は池沿いにいろいろな草木を見ながら来た。沼にショウブが見える。先日は気が付かなかったが、今日は花が咲いている。葉の途中から出た円筒状のものが花序で、その表面に疣のようなものが沢山見える。これが花のようだ。ショウブの花は小さく皆目分らないので、調べてみた。資料1によると、「ショウブは原始的な被子植物で、ジュラ紀末期からあまり進化していない」という。また、牧野新日本植物図鑑などの資料によると、「花被が6片あり、雄しべが6本ある」という。そこで、写真を拡大してみた。しかし、1つの小花がどこまでなのかの判断が出来ない。黄色い花粉をつけたものは雄しべと思うが、これが3個1組になっているように見える。下の方に白色から透明の膜のようなものが見える。これが花被片らしい。とにかく、肉眼ではこの花の様子は殆ど分からない。

 資料1:http://www.asahi-net.or.jp/~zh7k-knk/shinka/03/h2.html

 資料2:牧野新日本植物図鑑

 直ぐ隣の沼を見ると、ショウブなどに混ざって青い可愛いワスレナグサが混ざっていた。青い5枚の花弁の中心が黄色くなっている。花弁の境が白色に隆起しているように見えるが、これは花弁が重なっていることから見える錯覚のようだ。ワスレナグサの名前は、よく聞く馴染みのある名前である。

撮影:5月11日

 記  平成29年5月15日(月)

5月19日(金)
マユミ コバンソウ サンシュユ ネコヤナギ ヨシ

ツリフネソウ ドクダミ

5月19日(金)

 さらに沼を見ながら水路沿いに進むと2本のマユミの樹がある。2本のマユみの樹を見た時、花が余りにもたくさんついているので、一瞬「この樹は何の樹だろうか」と思ってしまった。その時は、マユミとニシキギの花のことを考えていたので、一時「この樹はどちらなのか」との思いがあったからだと思う。ニシキギは雌雄が別株である。このことが頭から離れないで、マユミの花を見続けていた。どの花を見てもみんな同じで、変わったものはなかった。冷静になり、改めて考え直すと、マユミは両性花であった。「どの花を見ても同じであるはずである」ことに気が付いた。雄しべを見ると、マユミの雄しべの葯は赤から黒味がかっているのに対し、ニシキギは明るい黄緑色である。「マユミの雄しべの葯の中に黄緑色のものをみつけていた」ことは、錯覚であった。

 錯覚から解きほぐされ、次へ進んで行った。土手側にコバンソウが見えた。コバンソウは既に各地で見てきている。三ツ池公園では未だ写真に収めていないようだったので、撮影した。この花については、小判の形をしているということぐらいしか掴んでいない。これとそっくりで小さいものにヒメコバンソウがある。最近目にするのはコバンソウばかりで、ヒメコバンソウは見かけなくなった。

 この樹の冬芽、花を見てきているので、名前は「サンシュユ」と分かるが、もし、別の場所で、今の状態のこの樹を見て、「この樹の名前は」と聞かれると、名前が浮かんでこない。それは葉をよく見てきていないからである。葉を見ると、全縁で、表面に艶があり、葉脈が目立つ点はミズキによく似ている。サンシュユを図鑑で調べると、ミズキ科に入っている。成程と思った。ミズキとの違いを見ると、ミズキは葉が互生なのに対し、サンシュユは対生になっている。

 一番奥の沼へ行くと、ヨシの背丈が随分高くなっていた。ヨシの葉も新緑のうちは中々綺麗である。これが更に1か月ほど経つと、灰白色を帯びてきて、新鮮さがなくなってくる。

 この沼の入り口に1本のネコヤナギがある。もう綿毛のような花は無くなっている。枝を見ると、どういう訳か、未だ赤褐色をして冬芽が残っている。ここから未だ葉が出てくるのだろうか。葉は互生し、裏面に毛がある。縁には浅い鋸歯がある。葉柄は赤みを帯びている。

 この奥へ入ると、ツリフネソウがある。花は10月頃なので、今の様子を見に進んだ。色々な草があり何処にあるか見つけにくいが、わりと大きめな葉を思い出し探した。葉が互生している大きめの葉が見つかった。長い柄がある楕円形の葉で、縁に鋸歯があるが、それほど鋭くない。

 園道へ出ようとすると、草むらの陰にドクダミが咲いていた。ここまで来るまでに林の縁などには沢山のドクダミが芽生えており、独特の匂いが漂い出していたが、花は未だ咲いていなかった。ここはどちらかというと、林の中より日が射す環境の方が早く花が咲くのだろうか。

撮影:5月11日

 記  平成29年5月15日(月)

5月20日(土)
ユウゲショウ ハコネウツギ キショウブ オオブタクサ 藪の中道

カモジグサ オオヤブジラミ オオヤブジラミ:果実

5月20日(土)

 垣根に沿って歩いていると、ピンク色のユウゲショウ(アカバナユウゲショウ)の花が咲いていた。ヒルザキツキミソウを小さくしたような花である。観賞用に植えられたものが拡がったと言われている。公園、空き地を始めいろいろなところで見るようになった。ウイキペディアによると、和名の由来は、「午後遅くに開花して、艶っぽい花色を持つことから」と説明されている。しかし、明るい昼間にも結構咲いている。この撮影は午後2時30分頃だった。

 花壇の植込みにハコネウツギが咲いている。この花は、形が箱型になっている特徴がある。また、白色からピンク、赤色へと変わっていく花だという。

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1770.html

 水辺近くにキショウブが咲いている。ショウブ、アヤメ、カキツバタと紛らしい花が咲き出し、それぞれを見分けることは非常に難しい。キショウブは水辺近くか、水の中に見られる。

 コリア庭園前からムラサキシキブを見ようと藪へ入った。ムラサキシキブの樹を見たが、花が咲く兆候は分からなかった。そのまま山道を進んで行くと、オミナエシに似た葉が見えて来た。「ここにオミナエシがあったか」と思うまでもなく、記憶になかった。「変だなぁ」と思っているうちに、この小さな葉はオオブタクサであると分かった。オオブタクサも、ヤツデに似たような大きな葉になっていれば分かったのだが、小さな葉だったので、直ぐには分からなかった。

 この藪の出口にオカトラノオが咲いてくる。今どうなっているかと、芽生えを探したが、見つけることが出来なかった。藪を出ると、目の前に下ノ池がある。下ノ池の角のソメイヨシノまわりに大きなカモジグサがあった。余り大きいので、花序の長さを計測してみた。すると、30㎝あった。小穂は3㎝、ノギが3㎝といずれもスケールが大きい。牧野新日本植物図鑑では、花序の長さ20㎝ぐらい、小穂2~2.5㎝となっている。

 カモジグサに混ざるようにヤブジラミが絡まっている。何度も見てきたヤブジラみだが、花を終え果実が出来始めると、ヤブニンジンとの違いがはっきりしてくる。ただ、ヤブジラミとオヤブジラミの区別が分からなくなってくる。この果実を計測すると、長さ8㎜、幅4㎜であった。また、オヤブジラミの果柄はヤブジラミより長いという。そうすると、この果実はオヤブジラミになるようだ。

撮影:5月11日

 記  平成29年5月16日(水)

5月21日(日)
エゴノキ コウホネ> ユリノキ イヌビワ トキワツユクサ

イヌガラシ

5月21日(日)

 里の広場に入った。アカメガシワが沢山伐採されたので、右側は山の奥まで見渡せるようになった。そのためもあるが、ここへ入ると、目が右側へ行く。ここには、クリ、コナラの樹がある。クリを見ようとしたらエゴノキの花が見えた。先程は、花が1つもなかったが、この樹には数個咲いていた。花は枝から垂れ、下向きに咲く。純白の色が清潔さを感じさせる。

 奥のアカメガシワの葉は、まだ赤味は残っているが、大分大きくなっていた。次に注目するときは花の時期である。園道へ出ると、サクラの花がなくなり、ひっそりしている。中ノ池を見ながら進んだ。中ノ池に黄色いコウホネの花が見えて来た。先日別のところで見たコウホネの花は奥であったが、ここも池の中なので遠い。花の詳細を知ることは難しい。5枚の黄色く見える部分は萼だという。

 ここから山へ入り、展望広場へ向かった。この辺は昨年大規模な工事が行われ、園道が変わってしまった。展望広場でユリノキを見た。花があるか探したが見つからなかった。昨年は5月5日に花を見ているので、終わってしまったのだろうか。それにしては、花が落ちていない。これからなのだろうか。

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1758.html

 園道に戻り先へ進んだ。この山道は余り人が通らない。時折ランニングしている人が通り過ぎていく。サクラの花がないとこんなにも寂しいものかと、サクラの花の有難さが分かる。右側の藪に沿って、ヤブジラミやイチゴツナギが犇いている。一寸奥まったところにイヌビワがあるので、探した。すると、イチジクのような形をした果実が見つかった。今年はどういう訳か、例年より数が多かった。

 藪の中にトキワツユクサが見えた。この花はよくプランターなどに植えられているのを見かける。園芸品種が外へ広がってきたものと言われている。

 南門へ戻って休憩をとった。ベンチに座って寛いでいると、足元に、黄色い小さな花が見えた。時刻が遅いせいか花は閉じているようだ。果実、葉、花の様子から見て、イヌガラシのようだ。

撮影:5月11日

 記  平成29年5月16日(火)

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