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平成29年度                                                            三ツ池公園の植物へ
11月
11月11日(土)
シュゼンジザクラとナツツバキの紅葉 ソメイヨシノ:すっかり葉が落ちて仕舞った メタセコイアの冬芽 未解決な草の葉:トダシバ? トダシバの葉

ヒメシャラの果実 ヒメシャラの果実と種子 カンヒザクラの冬芽 ホオノキ イチョウの黄葉

11月11日(土)

天候不順で、三ッ池公園へ行くのがのびのびになっていた。前回来たのが9月24日だから、1か月が開いてしまった。今日はノコンギクの様子を見ようと思っている。

南門を入ると、紅葉が進んでいるのに驚いた。11月だから当たり前と言えばそうだが、正面にシュゼンジザクラ、ナツツバキがある。紅葉の進みはナツツバキの方が早いようだ。

 ソメイヨシノのサクラの樹を見ると、紅葉を通り過ぎ、葉はほとんど残っていない。花はシュゼンジカンザクラの方が早く咲く。ソメイヨシノは花を咲かせるための養分を確保できたのに、シュゼンジカンザクラは、まだ花を咲かせるための養分が確保できていないのだろうか。

久しぶりにメタセコイアの冬芽を見た。冬芽は小さい。小さいが計測しようと、葉に手を触れると、葉は簡単に落ちて仕舞った。メタセコイアは落葉樹なので、葉が弱ってきていることが分かる。何とか計測すると、長さ3㎜、幅1.5㎜であった。

トダシバのところへ行った。ここにはトダシバに似ているが、少し違った未解決な草がある。花が咲いているか、期待したが、咲いていなかった。トダシバを見ると、羨ましそうに花が咲いていた。未解決な草の葉の表面を見た。1つには毛が無かったが、別のを見ると毛が見えた。トダシバと同じような毛である。見間違えたのだろうか。

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2423.html

向かい側のヒメシャラの樹を見ると、葉が少し色付き始めていた。果実を見ると、先が開きかけているものがある。中から種子がこぼれ始めたかもしれない。1つ採って中を見た。殻の中にはそら豆の形をした扁平な種子が入っていた。果実の外側は長さ1㎝、幅7㎜、種子は長さ7㎜、幅3㎜であった。

坂を上って行くと、右側にカンヒザクラがある。カンヒザクラはサクラの中でも早く花を咲かせる。それだけ冬芽の成長も早い気がする。葉腋から出た冬芽は赤褐色の芽鱗に覆われている。毛がないので、太陽の光に照らされて光って見える。

坂の上を見ると、正面に大きなホオノキがある。先日、この果実が赤みを増してきたのを捉えた。今どうなっているか知ろうと、上空を見たが、果実は見当たらない。もう落下してしまったのかも知れない。葉は、殆ど褐色に変わり、落ちる寸前になっている。あの大きな果実はどこへ行ったのだろうか。

坂を上り切ると、イチョウが真黄色になっていた。昨日、近くの公園のイチョウを見たが、ほんのりと色が付き始めたところだったので、この光景を見て吃驚した。三ツ池公園は紅葉や黄葉が早く進んでいる。

撮影:11月2日

 記  平成29年11月4日(土)

11月12日(日)
ハナミズキ シダレザクラの冬芽 モッコクの冬芽 ヤマナラシ ノコンギク

ノコンギク ドウダンツツジの紅葉 ドウダンツツジの冬芽

11月12日(日)

 丘の上広場へ来ると、広場の草は綺麗に刈られていた。ここはブタクサからカゼクサに変わり、その周辺にチカラシバ、ヤハズソウが占拠し始めていた。その後の様子を知りたかったが、この状況では諦めるしなかった。広場の中央にハナミズキの樹が1本ある。葉は赤く染まっているが、紅葉の最盛期は過ぎて仕舞い、上の葉は無くなり、赤い葉は萎れ、だらりと下がって仕舞った。もう生気が感じられない。

   

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2423.html

 

 少し離れた所にシダレザクラの樹が1本ある。近づくと、周りにロープが張られて、傍まで行けないようになっていた。多くの人が根元まで来ると、根の生育が弱るのだろう。どういう訳か、このシダレザクラに付いては、毎年満開時を逃してしまっている。

   

 下の方まで垂れている枝の冬芽を見た。シダレウメ、シダレザクラとシダレと名前が付くものの冬芽は、どれも枝に伏すように付いている。何故なのだろうか。大きさは長さが4㎜、幅が1.5㎜と非常に小さい。シダレザクラはエドヒガン系と言われように、冬芽は毛深くなっている。

   

 園道沿いにモッコクの樹がある。調べて見ると、7月4日にこの花を見たことになっているが、記憶から離れていた。「白色の5枚の花弁は少し外側へ反り気味である」と書いたことを読み直し、記憶を新たにした(資料1)。冬芽はこの枝先に出来る。この部分は赤紫色で、「何時見ても綺麗だなぁ」と感じている。この綺麗な所を写真に撮ろうとすると、いつも失敗する。モッコクの樹は、大抵日陰にある。そのため、光量が少ないせいか焦点合わせが難しい。今日も何度か失敗した。資料2によると、「冬芽は小さな半球形で暗赤色。芽鱗は7〜9個あり」というが、ここまでは見ることが出来な い。

 

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2324.html

 資料:https://matsue-hana.com/hana/mokkoku.html

 

 昨年知ったヤマナラシのところへ来た。ヤマナラシはシダレサクラのある高台を下ったところにある。ここの斜面にはキクイモが繁茂していたが、今は枯れてしまっている。ヤマナラシの冬芽の様子を見ると、高さが1.1cm、幅が7㎜(9月24日高さ1.0㎝、幅5㎜)で、幾分大きくなっていた。

   

 園道へ出るところで、ノコンギクがチラッと見えた。「チラッ」と表現するぐらいの規模で、例年見るノコンギクの光景ではなかった。「この程度で終わってしまうのかなぁ」と気になった。

   

 ノコンギクの光景にはがっかりした。園道を越え、奥の広場へ向かった。ここにはドウダンツツジの垣根がある。ドウダンツツジは真っ赤に紅葉するので、その時の姿は非常にきれいに映る。今でも遠くから紅葉している光景が伺える。紅葉の盛りは未だのようだが、今でも十分観賞できる。この冬芽が、また綺麗である。上へ伸びた枝の冬芽を捉えた。何枚もの芽鱗で包まれており、上が赤く、下が黄緑色に染まっている。長さ1.1㎝、幅5㎜であった。

 

撮影:11月2日

記  平成29年11月4日(土)

11月13日(月)
ベニバナトチノキの冬芽 ベニバナトチノキの種子 ツワブキ マユミの果実 ミツマタ

ミツマタ:大きな蕾が開き始めた アイノコセンダングサ アイノコセンダングサの果実 アイノコセンダングサ:小花の果実 シロノセンダングサ

シロノセンダングサ:小花の果実の初期 アメリカセンダングサ アメリカセンダングサ:小花の果実

11月13日(月)

 今日は天気がいいせいか、丘の上広場には幼稚園児がたくさん来ていた。ざっと数えて50人はいたようだ。ドウダンツツジを見ている間、園児たちは静かに整列していた。自由に動こうとしない園児の姿を見て、感心した。暫く経つと、動き始め坂を下って行った。園児の去った後を追いながら、坂を下って行った。

   

 坂の右側には、モッコクやツバキがあり、その奥にベニバナトチノキがある。ベニバナトチノキの存在に気付いたのは3年程前であった。坂を上って来る時、何気なく、モッコクやツバキを見ていた。その時、奥に偶然、赤みがかった大柄の花が見えた。その時がこのベニバナトチノキを見る始めとなった。

   

 今日は低いところに冬芽を見つけた。トチノキの冬芽は粘液に覆われているというが、このベニバナトチノキの冬芽にはそのような気配はない。以前この冬芽を見た時、同じことを感じていた。当時は、望遠写真で撮影した冬芽を見て判断していたが、今は、直接見ている。不思議さを感、じ調べてみると、下記の資料では、「ベニバナトチノキの「冬芽」は、日本のトチノキの様な「粘液」には被われません」と説明されていた。

   

 ベニバナトチノキの冬芽を見た後、パークセンターへ向かって歩き始めると、足元にクリの実の様なものが見えた。手に取ってみると、クリの実にしては大きすぎるし、ここにクリの樹はない。考えられるのはベニバナトチノキの実である。高いところのトチノキの実は見ているが、間近で見たことはなかった。調べると、ベニバナトチノキの果実は棘で覆われているという。これは果実の中身になので、種子になる。

   

 パークセンターの広場へ出ると、ここはもう子供達で一杯だった。先程は幼稚園児だったが、今度は、小学生である。天気がいいので遠足に来ているのだろうか。小学生は元気で、気ままに走りまわっている。

   

 いつものように水路沿いに進んだ。沼地の向こう側に黄色いツワブキの花が目に付いた。今は、花が少ない時なので、よく目立つ。  

 少し進んだところに、マユミの樹が2本ある。ピンク色の果実が綺麗に映えている。注意してみると、果実が割れて、中に赤い種子が見えるものがある。更によく見ると、殆どの果実が開き、種子を飛ばしていたことが分かった。マユミの果実の外側には4本の稜があり、そこから4つに割れてくる。

   

 直ぐ隣のミツマタの蕾が開き始め、中の小花の蕾が見えてきた。これから寒さが増してくるにつれ、この小花の蕾は成長し、外へ出てくる。雪の日に見た、あの黄色い花の姿が、今でも強く印象に残っている。

   

 コセンダングサが見えた。この仲間は、アメリカセンダングサ以外は未だよく分からない。このコセンダングサは、花と同時に果実ができている。調べるにはいいチャンスである。花を見たところ舌状花はないようだ。しかし、白色の筒状花が数個みられる。このことから資料1を参考にして考えると、コセンダングサになり、シロノセンダングサ(別名シロバナセンダングサ、コシロノセンダングサ)ではないようだ。果実には細長い棘状のものが放射状に付いている。1本の棘状のものを見ると、長さ1.7㎝、幅1㎜で、棘(冠毛)1.2㎜で、あった。棘(冠毛)は3本ある。

 

 資料:https://matsue-hana.com/hana/kosironosendangusa.html

 

 直ぐ近くに、白色の舌状花を3枚ほど付けたシロノセンダングサ(別名シロバナセンダングサ、コシオノセンダングサ)があった。この果実を見たかったが、残念ながら見当たらなかった。そこで、花を終えていそうな小花を採り出してみた。未だ緑色だが、果実に成りかけている様子は掴めた。長さ5㎜、幅1㎜、棘(冠毛)は3本あり、長さは1.5㎜であった。小花の果実の形はコセンダングサに似ている。

   

 沼地の脇にアメリカセンダングサがあった。この花は果実と一緒に存在していた。アメリカセンダングサは花の下に細長い総苞片が放射状にあるので、他のセンダングサとは区別が付く。果実はコセンダングサなどと同じように細長い棘状のものが放射状に付いている。このうちの1本を取り出してみると、これはコセンダングサ、シロノセンダングサとは違い、棘(冠毛)は2本である。また、短く、幅が広い。計測すると、長さ8㎜、幅3㎜であった。

 

撮影:11月2日

 記  平成29年11月5日(日)

11月14日(火)
サンシュウの冬芽 ネコヤナギの冬芽 ヨシ ヨシの小花 ツリフネソウ

ツリフネソウ:果実 セイタカアワダチソウ セイタカアワダチソウの小花 セイタカアワダチソウの小花 ケヤキの紅葉

11月14日(火)
 

 小さな水田の脇に1本のサンシュウの樹がある。サンシュユは、例年、暮れに幾つかの蕾に色が付いてくる。一つ一つの花は小さいが、沢山の花が一斉に咲いたときは、それは見事である。特に、天気のいい日には眩しいくらいである。小さな花には花弁が4枚、雄しべが4本ある。冬芽は球形に近く、直径が5~7㎜程で、頂部が凸になっている。中央に縦方向に溝があるので、ここからら開き始めてくるようだ。下記の資料によると、「冬芽を包んでいるのは総苞片で4枚あり、その下に見える細いものは芽鱗で2枚ある」と説明されている。この総苞片が開き、中から沢山の小花が出てくる仕組みになっているようだ。

   

 資料:https://matsue-hana.com/hana/sansyuyu.html

   

 水田から道を隔てた小さな沼へ来た。ここの沼は沢山のヨシに占拠されている。この脇に、ネコヤナギが1本ある。この冬芽を見ると、いつも綺麗な色に見えてくる。今日は太陽が出ていて、明るいので、一段と艶がありきれいだ。3月頃になると、赤褐色の芽鱗が割れ、中から雄しべが出てくる。このネコヤナギは雄株である。  

 これがこの小さな沼を占拠しているヨシである。大きく、長い穂を出している。ヨシの小花を見ていると、オギやススキとどこが違っているのか知りたくなった。白色の長い毛があるのは、3つに共通している。ススキにはノギあり、オギにはなかった。このヨシを見ると、ノギのような太いものが見える。これは一体何だろうか。牧野新日本植物図鑑によると、「第1花の護頴はなめらかで、・・・長さ1~2㎝に達する」とあるが、ノギについては触れられていない。大きさなどを計測して置くべきであったが、小花がどこまでかの判断ができず、計測できなかった。

   

 沼の奥にはツリフネソウがある。日にちが経っているので、花が見られるか気になっていたが、花はまだ残っていた。しかし、前回ほど新鮮さはなく、花の数も少なくなっていた。果実を触ると、弾くのが面白く、反応を見たが、今日は何の反応もなかた。この花は唇状花で、上唇が1枚、下唇が2枚になっている。この花の萼をよく見ていなかったので、今日はここをよく見た。萼は上唇の上に2枚あるのが分かる。萼はもう1枚ある。これが花びらのような色をした袋状のものである。初めてこの花を見た時、多くの人はこの萼を花と思うに違いない。後ろの方はカタツムリのようになっていて、一層目が行きやすい。

   

 今、野山にはセイタカアワダチソウの黄色い花が目立ってきた。荒地や川の土手に沢山咲いていた光景を思い出す。何も分からないうちは、秋に咲く綺麗な花と思っていた。それが、喘息を引き起こす花と言われ、この花が…と思ったこともある。何方が「セイタカアワダチソウの花粉が喘息を引き起こす」と唱えたか分からないが、何の根拠もないらしい。セイタカアワダチソウは虫媒花なので、花粉が風で飛ぶことは考えられない。セイタカアワダチソウにとっては濡れ衣であったようだ。資料でも小花を見て来たが、再度確認した。

   

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-390.html

   

 パークセンター広場へ戻って来た。広場の向こうの方にあるケヤキが綺麗に紅葉している。この紅葉を見ていると、「1枚1枚の葉がよくこんな色に変わるなぁ」と不思議に思える。全部の葉が紅葉しているので、艶やかである。先程のイチョウとこのケヤキを見ただけでも秋の光景を味わった気がした。

撮影 撮影:11月2日

 記   平成29年11月9日(木)

11月15日(水)
下の池方面 ツワブキ ハゼノキ ヤマザクラ ヨコハマヒザクラ

下の池側の紅葉 ミヤギノハギ

11月15日(水)
 

 パークセンターから下の池を通して、対岸の紅葉の景色を撮影した。左からオオシマザクラ、カンザン、オオシマザクラ、ムクノキとみられる。これからこの樹々のある方へ移動する予定である。

   

 コリア庭園の入り口の木陰にツワブキが咲いている。先程、水路沿いの崖で見て来たが、そこは日陰気だった。ここは丁度日が射しており、ツワブキの黄色い花が眩しく輝いていた。

   

 先程パークセンターから臨んだザクラの道へ来た。この道の両側に主として、カンザン、オオシマザクラが植えられている。紅葉も終わりのようで、葉が少なくなっていた。テニスコートでは、多くの人がゲームに熱中している。

   

 ここを通り抜けると、茶店の手前のハゼノキの紅葉が見えて来た。ハゼノキは、紅葉が随分進んできているが、未だ緑色の葉が残っている。最盛期には、葉は真っ赤に染まるので、見事な紅葉になる。

   

 茶店前の広場にはヤマザクラの樹が何本かあり、紅葉が進み、葉が落ち出している。いま丁度日陰で、写真の写りが悪い。茶店の周りには開花標準木に指定されたソメイヨシノをはじめ、大きなソメイヨシノの樹が数本あるが。いずれもすべての葉を落としていた。

   

 下ノ池と中の池の境の堤にヨコハマヒザクラがある。ここからは両方の池が臨める。風がないので、水面は丘や木立の風景を反射している。ヨコハマヒザクラの紅葉は大分進み、上の方の葉は殆どなくなっている。もっと早く来ておけば、ソメイヨシノやオオシマザクラをはじめいろいろなサクラの紅葉が眺められたのだが、残念だ。

   

 通って来た下の池側を見ると、丘の上の樹木を残し、池沿いに黄色いイチョウ、コナラ、赤くなったケヤキ、カエデ等の紅葉の風景を臨むことが出来る。池と紅葉は1つの絵になる。

 

 この堤にミヤギノハギが残っていた。ハギの仲間では一番遅くまで花を咲かせているようだ。やはり、もう花はわずかである。花のつくりをしみじみ見収めした。竜骨弁が翼弁より長く突き出ているのがまだよく分かる。

 

撮影:撮影:11月2日

 記  平成29年4月14日(金)

11 月18日(土)
サザンカ イチョウ カエデの紅葉 カツラとイチョウ イチョウの黄葉

イチョウとカエデ センニンソウ ケヤキの紅葉 イチョウとカエデ クサギ

クサギの果実 ジュウガツザクラ フユザクラ

11月18日(土)
 

 花の広場を出る頃になると、雲行きがおかしくなり、暗くなり始めた。時刻も遅く、いい写真が撮れそうもないので、先を急いだ。右側の日陰に白色のサザンカが見えるが、花数がまだ少ない。対岸を見ると、先程見たイチョウの光景が見事に映っている。「これが黄葉だ」と胸を張っているように見える。

 

 道が上り坂になって来た。ここからはカエデの紅葉が期待できるところだが、生憎空が暗くなってきている上に、ここは日陰である。それでも、カエデの紅葉の美しさの一角が臨まれた。

   

 ここからはイチョウの黄葉も加わって来る。ここまで来ると、「今日の順路を逆にした方がよかった」と思えて来た。ここは、カツラとイチョウの黄葉の入り口である。

   

 ここの道はイチョウの黄葉で賑わう場所である。お昼近くだと、日が射して、真黄色に染まったイチョウの黄葉が臨まれるのだが、今は人が一人も見えず、寂しいばかりである。

   

 手前のイチョウを通して、奥のカエデを見た。この写真も逆光のようになってしまった。イチョウの黄葉は進んでいるが、カエデは紅葉がそれほど進んでいないようだ。

   

 南門の近くまでやって来た。右側の叢に白色の花がポツンと見えたので、何かと足を止めた。例年なら、ノコンギクが見えるのだが、これは明らかに違う。見ると、センニンソウだった。センニンソウの花はもうとっくに花期を終えている。いま時みられるとは珍しい。この花も注意してみると、面白い形をしている。

   

 南門を入ったところの紅葉を見た。ケヤキの上の方が赤く色づいているのが分かる。行く時は、ここの右から坂を上っていったので、この光景は予想していたが、見ていなかった。最初に見ておけばもっときれいに見えただろうし、写真も綺麗に撮れていたと思う。

   

 ここへ来たとき、目の前にフウザクラが咲いているのが目に入って来た。この時、このフユザクラと、ジュウガツザクラを見ていないことに気が付いた。薄暗くなっているが、この2つは捉えておかなくてはと、今来た道を戻り始めた。今度は逆向きで進んでいる。イチョウの樹の陰に、紅葉した樹が見えた。暗いが、何とかカエデと判断できた。すぐ下に黄色くなり始めた樹があったので、これは何の樹か考えた。手掛かりを探していると、奥の方に果実が見つかり、クサギと分かった。クサギの葉も黄葉する。

   

 中の池側のジュウガツザクラの樹へ来た。もう大分暗くなっている。花は確かに咲いているが、いずれも高いところである。望遠を効かして撮影するしかない。カメラを覗いてみたが、鮮明さが無い。失敗はもともとと思い、何枚か撮影した。やはり出来栄えはよくなかった。直ぐ近くにフウザクラがあるので、移動した。此方の方が低いところにあったので多少鮮明な写真になった。不満足な結果だったが、何とか記録には残せた。

 

撮影:11月2日

 記  平成29年11月10日(金)

11月26日(日)
メタセコイア 少なくなったスイレンの葉 ホオノキの冬芽 カエデの紅葉 トチノキの冬芽

フユザクラ コブシの冬芽 カクレミノ ジュウガツザクラ

11月26日(日)
 

 先日、三ッ池公園のジュウガツザクラやフユザクラのところへ行った時、時刻が遅くなり、暗くなってしまったので、上手く写真が撮れなかった。早いうちに撮り直したいと思い、今日(11月21日)天気がよかったので、出かけた。

   

 南門へ近づくと、メタセコイアの葉が大分色付いていた。更によく見ると、メタセコイアを通して、向こう側の青空が大分見える。と言うことは、葉が大分落ちたことになる。メタセコイアも紅葉し、落葉する。先日、葉を触ると、ぽろぽろと落ちるのを見ている。

   

 上の池を通して水面と対岸を見ると、先日までイチョウの黄葉が見事だったのが、褪せて仕舞って、黄葉の美しさが失われていた。水面を見ると、水面を隙間なく覆っていたスイレンの葉に隙間が空き水面が顔を出してきた。此方も葉が大分枯れたことになる。

   

 ジュウガツザクラは上の池と中の池の境の堤にある。池沿いに進み始めた。進み始めると直ぐにホオノキが見えた。大きな葉は殆どが枯れて落ちて仕舞っているが、上空に冬芽が幾つも見えた。カメラを向けて写真を撮ると、暗灰色の大きな冬芽が写っていた。下記の資料によると、「冬芽は2個の托葉と葉柄が合着したキャップ状の芽鱗に包まれる」という。この暗灰色のものが芽鱗になるようだ。よく見ると、縦方向に溝が見える。ここが境になっているようだ。

 

 資料:https://matsue-hana.com/hana/hoonoki.html

   

 滝の広場へ入ると、奥のカエデが紅葉していた。緑をバックに大分赤くなっているが、もっと赤く成るようだ。秋が深まっていることが分かる。

   

 道路沿いに4本のトチノキがある。枝先を見ると、沢山の冬芽が出来ている。トチノキの冬芽には粘性があるというので、何時も調べたいと思っている。低い枝がないだろうかと探してみたが、皆高いところにある。触るにはあまりに高すぎる。冬芽は、太陽の光が当たっているせいか、照り輝いている。

   

 滝の広場を出た所にフユザクラがある。光の加減はどうかと見ると、上の方に光が当たっていた。そこを狙って写真を撮った。今日は明るく、光が当たっているので、先日よりは写真の写りがよさそうだ。よく見ると、既に散った花も見られる。

   

 フユザクラの写真が撮れ、ほっとした。直ぐ隣にコブシの樹があり、ふさふさして毛に包まれた冬芽が見える。ここのコブシの冬芽はまだ大分小さいようだ。

   

 右側に階段があり、丘の上広場へ通じている。そこへ入ると、カクレミノが見える。いま丁度緑色の果実が出来ている。この色が次第に紫黒色に変わっていく。カクレミノは葉の形が変わっているので、自然と葉に目が行き、この花を未だ見ていないことが分かった。

   

 ジュウガツザクラのところへ来た。太陽の光が当たっている。写真を撮ると、出来栄えは先日と違い、八重のサクラが確認できた。資料1によると、「ジュウガツザクラはマメザクラとコヒガンザクラ(小彼岸桜)の雑種である」という。更にコヒガンザクラについてウイキペディア調べると、「コヒガンザクラはエドヒガンとマメザクラの交雑種」という。マメザクラが係わっていることから花が小さいことが分かる。

 

 資料1:http://yasousuki.exblog.jp/5249297/

 

撮影:11月21日

 記  平成29年11月24日(金)

11月27日(月)
キンクロハジロ ホシハジロ 右がタチカンツバキ タチ カンツバキ ソバ

葉の表面 葉の裏面 葉柄 ソバの花 クリの冬芽

ノコンギク イチョウの幹に巻き付いたキヅタ

11月27日(月)
 

 池を見ると水鳥がいる。黒色はキンクロハジロと分かるが、頭が茶色の水鳥は何だろうか。見たような気がするので、昨年の記録を見直した。すると、ホシハジロの名前が出て来た(資料)。昨年は、キンクロハジロとホシハジロが一緒にいるところを写真に撮っていたことが分かった。

   

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2005.html

              

 中の池と下ノ池の境のところにタチカンツバキがある。先日は咲き始めたばかりのようで、花数が少なかった。今日は幾分増えている。先日、タチカンツバキは「立ち寒椿」の意味で、「カンツバキに似ているが枝や幹は上に伸びる」と言うことを学んだ。確かに枝や幹は上へ伸びているだろうかと見たが、よく分からなかった。

 
観察したメモ
柄の付く部分が凹み、ハート形、表裏に短い毛がる
葉柄 赤褐色で、多少毛がある
疎らに毛があり、下の部分は赤みを帯びている
花弁がなく、萼が5深裂

 

 特徴等調べた結果、やはりこの花はソバになる。ソバは虫媒花だという。どのような方法でここに生えて来たのだろうか。非常に不思議に思える。

   

 ここから藪へ入ったところにクリの樹が1本ある。今年はこの樹の冬芽から花、果実まで見た。今、再び、冬芽に戻って来た。冬芽は先が黒っぽく、球形に近い。長さ3㎜、幅2㎜程であった。

   

 道が続いているが、クリの樹から上へ入ったことがない。今日は興味本位で上がってみた。すると、右側の藪にノコンギクが咲いていた。今まで見た限りでは、もうノコンギクは終えてしまったようだったが、何となく入ったのがよかったのかも知れない。野生的なノコンギクの姿を見るのは、今年初めてのようだ。

   

 イチョウの幹に紅葉したキヅタが巻き付いていた。先日、同じような光景を都筑の生態園で見て来た。その時の樹はミズキの樹だった。

 

撮影:11月21日

 記  平成29年11月24日(金)

11月28日(火)
ハゼノキと思われる幼木 葉の表面:葉や葉軸に毛がない 試料1 葉の裏面:葉や葉軸に毛がない 試料2 茶店前のハゼノキ 葉の表面:葉や葉軸に毛がない

葉の裏面:葉や葉軸に毛がない メタセコイア サザンカ? サザンカ?の花 葉脈は黒く見えない

11月28日(火)
 

 藪から出ようとすると、ハゼノキと思われる幼木があった。今、ハゼノキとヤマハゼの違いを考えていて、茶店前のハゼノキを見に行くところだった。茶店前のハゼノキは大きい樹なので、葉を間近で見ることが出来ない。丁度いい機会に恵まれたと思った。下記の資料では、2つの違いを詳しく説明している。その中で、2つの違いを一際分かりやすくしているのは、「ヤマハゼは葉の両面や葉軸に毛が多く、光沢がないこと」この点が決め手になると思えた。そこで、試料で、この点を確認した。

 

 資料:http://elm3.web.fc2.com/top/ruijisyu-miwakekata-hoka/hazenoki-yamahaze-urusi-yamaurusi.html

 

 試料1は、藪から出て来たところにあった幼木、試料2は茶店の前の樹で、ハゼノキと表示されている。調べて見ると、試料1、資料2とも葉の両面、葉軸は無毛であった。従って、どちらもハゼノキになるようだ。

 

 茶店を通り越し、野球場の方へ向かった。野球場の手前に、マルバマンサクの樹があった時は、此方へも足を向けたが、この樹が伐採された昨年からは足が遠ざかってしまった。野球場の前へ来ると、メタセコイアの樹が林立していた。三ッ池公園内には何ヶ所かにメタセコイアがあるが。ここにこれ程あるとは気がつかなかった。

 

 高いメタセコイアから目を下へ降ろすと、ピンク色の花が見えた。いま時咲くのはサザンカと思えるが、この花はどちらになるのだろうか。「サザンカの雄しべは束になっていない」ということだが、見たところでは、確かなことが分からない。他に2つの違いを調べる方法はないものかと考えた時、葉を光に透かして見ると、サザンカの葉脈は黒く見えることを学んだことがある。そこで、この葉で実際に試したが、黒くは見えなかった。

 

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-794.html

撮影:11月21日

 記  平成29年11月25日(土)

11月29日(火)
ムラサキシキブ:頂芽 ムラサキシキブ:側芽 ブンゴウメの冬芽 カリンの果実 サンシュユの冬芽

カエデの紅葉 ソメイヨシノの冬芽

11月29日(火)
 

 今日はいつもと逆のコースをとっている。コリア庭園の手前の薮へ入ると、そこにはムラサキシキブが何本かある。久しぶりに入ってみた。ムラサキシキブには、葉がまだたくさん残っていた。舞岡公園では葉が大分落ちていたことを考えると、場所によって大分様子が違うことが分かる。この冬芽は裸芽で柔らかい毛で覆われている。冬芽には枝あり、細長い。一際大きな頂芽を計測すると長さ9㎜、幅1~2㎜で、側芽は長さ6㎜、幅1~2㎜であった。

   

 藪から出てきて、コリア庭園の手前のブンゴウメの冬芽を見た。ブンゴウメは果実が大きいので、冬芽も大きくなっているのではと思って見たが、意外と小さかった。計測すると、長さ3㎜、幅2㎜程であった。

   

 コリア庭園内にはアンズの樹が2本ある。アンズの樹は一段高いところにあるので、冬芽の観察は無理と思いながら写真を撮ってみた。やはり、非常に小さく、詳細は掴めない。諦めて奥へまわった。ここにはサンシュユがある。サンシュユの冬芽を見ようとすると、サンシュユの左の樹の大きな果実が先に目に入って来た。この果実を付けた樹は何だったか記憶にない。見ていると、「カリン」と表示されていた。黄色味を帯びた球形の果実を見て、一瞬これがカリンの果実とは思えなかった。自宅近くの公園にもカリンの樹があり、果実が出来る。そこの果実は、このような球形をしていない。楕円家の不規則な形をしている。

   

 サンシュユに目を移した。サンシュユは年内に数個の蕾が開く。冬芽は楕円形で、先が尖っている。中央に縦方向の割れ目が入っている。冬芽が開くときはこの割目から開いてくる。何処かに開きかけているものがないか見たが、そのような気配をしたものはなかった。

   

 庭を見回すと、池の近くにあるニシキギの葉が綺麗に紅葉し、赤紫色に染まっていた。「ニシキギの紅葉は綺麗だと」いうが、この光景を見ると、確かにその通りと言える。隣のススキとのコントラストがなかなか映えて見える。近くのカエデは一層映えて見える。

   

 コリア庭園の綺麗な紅葉の余韻が残ったまま外へ出て来た。下ノ池の縁に大きなソメイヨシノの樹がある。見渡すと、枝が低く伸びている。この枝の冬芽を見ると、相変わらず毛深い。この冬芽から、あの見事なサクラが咲くとは、想像し難い。

 

撮影:11月21日

 記  平成29年11月26日(日)

11月30日(木)
写真1 写真2 写真3

11月30日(木)
 

 三ツ池の正門前に小さな沼がある。その沼は、先日までヨシに覆われていた。今見ると、そのヨシの殆どが伐採され、綺麗になっている。今日はここのヨシの小花を見ようとしていた。この状況だと、小花が見られるか気になった。周りをまわり、ヨシの花序を探した。何とか花序が見つかったので、撮影した。この花序から小穂を取り出し、更に小花を取り出したい。先日も同じことを試みたが、難しかった。まず、どこまでが小穂なのか、見分けるのが難しい。よく見ると、花軸から柄が出ていて、その先に小穂がついているように見える。この先が確かに小穂になるのだろうか。写真を撮ってみた。

   

 小穂のつくりがよく分からないので、調べた。下記の資料3によると、「小穂は外側に包穎(ほうえい)がありその中に小花が納まっている」との説明があり、更に「小花は、めしべ、おしべ、りん皮、内穎、護穎から成り立つ」と説明されていた。

   

 この資料のおかげで、小穂のつくりの様子が分かって来た。外側から第1包穎(ほうえい)、第2包穎(ほうえい)、小花(護穎、内穎・・・)、小花・・・となるようだ。

   

 そこで、資料1で説明されている「第1包穎は最下護穎の1/2より短い」について考えてみた。

   

 写真1では、一番上にあるものが第1包穎で、その下は最下護穎になるようだ。一番下に第2包穎があることになるが、写真でははっきりしない。この第1包穎と第2包穎の間に数個の小花が納まっていることになる。

   

 写真2では、第1包穎は右下にあると思われるが、はっきりしない。一番左は第2包穎になりそうだ。小花はこの中に納まっている。

   

 小花らしきものを1つ採り出してみた。底部に白色の毛がたくさん見られる。この上にあるものが、小花になると思われる。小花の外側は護穎になるが、この茶褐色のものがそれに該当するのだろうか。資料4によると、第1小花は雄花で、それ以外は両性花になっている。そして、白色の毛があるのは両性花のみになっている。すると、写真3は、両性花になるようだ。

   

 さらに踏み込んで調べて見たいが、この3枚の写真ではここまでが限界のようだ。更にいい資料を見つけなければならない。

 

撮影:11月21日

 記  平成29年11月26日(日)