​​​

平成29年度                                                            三ツ池公園の植物へ
10月
10月1日(日)
ヤマナラシの冬芽 ススキ ノガリヤス ホオノキの果実 イヌトウバナ

イヌトウバナの小花 メドハギ キバナノマツバニンジン

10月1日(日)

 ヤマナラシを見た。冬芽が幾分大きくなっているような気がしたので測定すると、高さ1.0㎝、幅5㎜であった。7月に測定した時は、長さ7㎜、幅4㎜だったので、幾分大きくなってきたことが分かった。また、黄緑の部分が多く、褐色の部分が少なかったのが、今は逆転している。この経過を見ると、小さなものだが、ひ弱さがなくなり、健常に育ってきていることが分かる。

 園道へ出ようとすると、目の前にススキの穂が見えた。もう彼方此方でススキの穂が見え始めているので、「ここでも現れて来たかぁ」と思った。しかし、小花を見ると、開花しているのは未だ僅かであった。

 ここには先程見てきたトダシバが沢山あり、穂を付けている。「随分勢いがいいなぁ」と見ていると、直ぐ近くに、トダシバの穂に似た小さなものが見えた。背丈が25㎝と小さいので、詳細が分かり難い。穂が白色っぽいので、「カゼクサかもしれない」と思った。ところが、写真を拡大してみると、小花に長いノギがあるので、トダシバやカゼクサとも違うと判明した。イネ科のものであろうと、下記の資料1で検索してみた。すると、似ている写真があり、ノガリヤスの名前が付けられていた。

資料1:http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/monocotyledoneae/gramineae/gramineae.htm

 この沿道の脇に高い数本のホオノキがある。先日ここの樹で赤く色づき始めた果実を見た。また、先程濃く色づいた果実も見てきた。ここのホオノキの果実を見ると、日光が当っていることもあり、全体が明るい赤い色をしている。鉤のようなものが沢山付いており、中々見栄えがある。

 奥の広場に行くと、手前にイヌトウバナがあり、奥にはヤハズソウ、メドハギなどがある。イヌトウバナは狭い範囲だが、群生している。今年はこの花を何度も見てきたので、詳細が少しずつ分かって来た。唇形花を確認した。舞岡公園でメドハギの開花を見てきたので、ここでも咲いているのではと、奥へ進んだ。ここのメドハギは早めに咲いたようで、花数が少なかった。この花についても蝶形花を確認した。

 黄色い小さい花が見つかった。この花はどことなく、以前此処で見た記憶がある。名前を思い出せないので、過去の記録を見直した。すると、6月14日に見たキバナノマツバニンジンであった。その時は今見るのより背丈が高く、葉が茎に寄り添っていた。ところが、これは、葉が開いている。同じものか分からないので、花を比べてみた。また、花期について調べると6月から9月となっている資料が多かった。間違いないようである。

撮影:9月24日 

 記  平成29年9月28日(木)

10月2日(月)
ベニバナトチノキの小花 ベニバナトチノキの冬芽 ヒヨドリジョウゴ ヒカゲチョウ カリガネソウの花

カリガネソウの花 カリガネソウ:雄しべの2本が長く、2本が短い

10月2日(月)

 丘の広場から坂を下りパークセンターへ向かい始めた時、何となく右側の藪にあるベニバナトチノキの冬芽が見たくなった。下草をかき分け中へ入り、ベニバナトチノキの梢を見ると、ピンク色の花のようなものが見えた。「今頃、変だなぁ」と思い、望遠写真を撮ってみた。写真を見て吃驚した。これは間違いなくベニバナトチノキの花である。それもたった1つの小花である。普通見るベニバナトチノキの花は小花がたくさん集まった花序になっている。ところが、これはたった1つである。季節を間違えたというしかない。「面白い現象だぁ」と思った。  次に目を冬芽に移した。冬芽は円錐状で先が尖っているように見える。数枚の薄い褐色の芽鱗で包まれている。偶然、冬芽の下に葉痕が見え、その中に維管束痕が見えた。

 ここの下草にはチヂミザサが群っている。その中に久し振りに見るヒヨドリジョウゴの花が見えた。今年は初めて見るのかも知れない。この花の花弁は極端に後ろへ反っている。そのため、一見どっちが花の表で裏か見間違えてしまう。花弁は5枚に見えるが、花冠が深く切れ込んだものであるという。果実は赤くなる。この葉の形がまた変わっている。3~5裂し、元は耳になっている。

 

 薄暗い中でヒヨドリジョウゴの花を見ていると、1頭の暗い色をしたチョウが舞ってきた。一寸離れた所に止まったので、逃げないうちに写真を撮った。翅は灰褐色で、丸い斑紋が幾つもある。調べると、ヒカゲチョウのようだ。

 藪を出ると、そこはパークセンターン広場になっていた。今日は人がたくさんいて賑やかである。何時もの通り水路沿いに進んで行った。頭にはアメリカセンダングサがある。先日は見違えるほど背丈が高くなっていたので、今日は花が見られるのではと期待していた。ところが、アメリカセンダングサがあったところは綺麗に刈られてしまっていた。「ああ、残念だぁ」と思った。

 諦めて進んだ。すると、青い花が見えてきた。カリガネソウである。この花も形が随分変わっている。牧野新植物図鑑では、「花冠の先端は唇形で大きく口を開き、上唇は背面に膨らんで、舟形となり、下唇は3裂し、中央の裂片は大きく前方へ伸びている」と説明されている。この説明だと花冠は4裂しているように受け止められる。萼については、5裂していると説明されているが、花冠については説明されていない。色々な資料を見ると、花冠は5裂しているとある。以上のことを基にして、花のつくりを考えた。この花を唇形花と見た時、見方によっていろいろな説明がるが、「下唇にあたるのは、 青紫色の斑点のある一番大きな花弁になり、上唇は4裂し、2枚が横へ開き、他の2枚が立ち上がっている。斑点のある下唇の中央は浅い凹みが見られる。」と考えてみた。雌しべが一番長く、4本ある雄しべの2本が長く、2本が短いということも分かる。

撮影:9月24日

 記  平成29年9月28日(木)

10月3日(火)
マユミの果実 ミツマタ ミツマタ ヨシ ヨシ

ツリフネソウ ツリフネソウ ハナタデ ハナタデ

<

10月3日(火)

 カリガネソウがこんなに見事に咲いているとは思わなかった。カリガネソウを見た後、少し進むと、マユミの樹が2本ある。この2本は大きくないので、観察し易い。緑色だった果実にピンク色の色が付き始めた。ピンク色になり始めると、目につかなかった果実が目立ってくる。その内、寒さが厳しく感じられる頃になると、外側が割れてきて、中にある赤い果実が見え出す。その時になると、この2本の樹は人の目を集めるようになる。  直ぐ傍にミツマタの樹がある。三ッ池公園に何度も足を運んでいるが、ミツマタの樹はここの1本だけと思う。久しぶりに見ると、蕾が大分膨らんできたのに気が付いた。この蕾は次第に解れ、中から小花の蕾が現れてくる。黄色い小花は寒中に咲く。

 山側にあったツリガネニンジンはもうその存在が分からなくなってしまった。この先には小さな沼があり、その脇にこれから見ようとしているツリフネソウがある。土手側の小道を進むと、ヨシが見えてきた。目指すツリフネソウはこのヨシの向こう側にある。ヨシの花序は大きく、大抵は傾いているので、片側から小花が出ているように見える。今は、赤紫色に色づいてきた。小穂は細長く、数個の小花から出来ている。小穂はまだまだ閉じているようなので、花は咲きだしていないようだ。小花の基にある白色の長い毛が目立つ。

 ツリフネソウが見えた。先日、どこに蕾があるか分からなかったが、見事に咲き出した。未だ花はちらほらではないかと予想していたが、こんなに見事な景観をつくっているとは思わなかった。早速花を見た。花は唇形花で、上唇は上へ立ち上がっているのが1枚で、下唇は2枚に割れ大きく前へ伸びている。従って、花弁の数は3枚になる。同じように萼も3枚あり、2枚は小さく上唇の上るにあるが、1枚は大きな袋のような形をしており、後ろの方は渦を巻いた距になっている。花を正面から見ると、下唇の奥に黄色い斑紋がある。

 沼の前にタデが咲いている。最初このタデはイヌタデでないかと見ていたが、どうも様子が違う。小花がイヌタデ程密についていない。イヌタデでないと、考えられるのはヤブタデ(ハナタデ)になる。9月14日に記録したヤブタデ(ハナタデ)の特徴を見ながらこのタデについて調べると、このタデはヤブタデ(ハナタデ)になるようだ。

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2411.html

撮影:9月24日

 記  平成29年10月1日(日

10月4日(水)
マルバハギ:花序の枝がが短い マルバハギ:竜骨弁が翼弁より短い ヤマハギ:花序の枝が長い ヤマハギ:竜骨弁と翼弁がほぼ同じ長さ ナツメの果実

イヌコウジュ ヌカキビ タイアザミ? 根生葉:不明 タイアザミ?

10月4日(水)

 沼からパークセンターへ向かい始めると、花壇にハギが咲いていた。見ると花序の枝が短い。この付近にハギの樹が何本かあるが、一つ一つをよく確認していなかった。ヤマハギ、ミヤギノハギは少し分りかけてきたが、マルバハギはよく分らない。理論的には、マルバハギの葉は丸く、竜骨弁が翼弁より短いということだが、葉の形は個体差があり、当てにならない。今は、花序の枝の長さ、と竜骨弁の長さに注意をしている。このハギはどうやらマルバハギと思える。  

 人の出が多いので、パークセンターは満員だと思ったら、意外と空席があった。ここで少し休んでからコリア庭園へ向かった。この時期はコリア庭園でも咲いている花は少ない。入口に入ったところにあるナツメを見た。ナツメには淡緑色の果実が1つだけ見えた。高さが2.5㎝、幅が1.5㎝であった。葉を見て、クスノキやシロダモなどのような3脈が目を惹いた。

 

 タツナミソウやアキノタムラソウを見た植込みに何か目新しいものがあるか近づいてみると、下草はほとんど刈られていた。それでも、イヌコウジュやヌカキビを目にすることが出来た。

 コリア庭園を出て、中の池沿いに進んだ。「そろそろノコンギが見えてもいいのだが」と思いながら進むが、その気配がない。アザミが見えてきた。先程見たタイアザミとは少し違うようだが、このアザミの総苞片は長い。下の方の総苞片はやや反っているようにも見えるが、微妙である。根生葉の有無が決め手になるので、探した。根生葉はありそうだが、はっきりしない。下の資料で調べると、「ノハラアザミの根生葉の中肋は紅色を帯びる」と説明されていたので、ここを確認した。すると、このアザミの中肋は黄緑色から白色である。従って、タイアザミの方になりそうだ。  

 資料:資料:http://mikawanoyasou.org/data/noharaazami.htm

撮影:9月24日

 記  平成29年10月1日(日)

10月5日(木)
ミヤギノハギ ミヤギノハギ:葉は細い楕円形 ミヤギノハギの花:竜骨弁が翼弁より長い 秋の情景:ススキ コセンダングサ

コセンダングサの花 タイアザミ 根生葉は不明 タイアザミ タイアザミ

タイアザミの根生葉? タイアザミの根生葉? ヒガンバナ

10月5日(木)
 

 下ノ池と中の池の堤にハギの樹がある。一昨年、そこにヤマハギ、ミヤギノハギ、マルバハギの3種類があるように思ったが、昨年はうまく確認出来なかった。今年もヤマハギは見ているが、その他はよく確認していない。堤へ入ったところのハギはミヤギノハギの記憶があるので、葉を確認した。葉は細い楕円形をしている。この形はミヤギノハギの特徴である。次に花を見た。花序の枝は長い。この点は、ミヤギノハギとヤマハギで共通している。小花を確認すると、明らかに竜骨弁が翼弁よりも長く突き出ている。これはミヤギノハギの特徴である。ヤマハギは竜骨弁と翼弁がほぼ同じ長さになっている。従って、このハギはミヤギノハギといえる。今日は、これで3種類のハギが確認できた。

 

 池の縁にあるススキに穂が出ていた。此方のススキは、先程のススキよりも小花が沢山開花している。池と緑の丘をバックに撮影した写真からは秋の情景が伝わってくる。

 

 園道へ出て、中の池沿いに進んだ。右側にセンダングサが現れて来た。センダングサにもいろいろな種類がある。このセンダングサは何になるだろうか。葉はや茎は明るい緑色で、葉の鋸歯が鋭くない。小花は筒状花のみに見えるが、下にある白色ぽいのが舌状花には見えないが、気になる。恐らくコセンダングサと思う。

 

 再びアザミが出て来た。枝先に複数の花が咲いている。総苞片が長く伸びている。このアザミはノハラアザミか、タイアザミか、非常に見分けにくい。総苞片は長く、先は殆ど曲がっていない。総苞片が曲がっていない点はノハラアザミの可能性がある。根生葉を見たが、分かり難い。近くの葉の葉脈の中肋は赤みを帯びていない。総合して考えると、ノハラアザミでなく、タイアザミと思える。

 

 奥へ入ったところにまだ蕾の状態のアザミがあった。花が未完成なので、蕾と葉、茎を手掛かりにするしかない。根生葉はあるのだろうか。葉が沢山あり、どれが根生葉なのか、判定が出来ない。どの葉の葉脈の中肋も赤みを帯びていない。従って、ノハラアザミの根生葉に相当するものではない。これも上と同じようにタイアザミと思える。

 

 この辺のアザミを見ていると、殆どがタイアザミになるような感じがしてきた。里の広場を出ようとすると、ヒガンバナが咲いていたが、勢いがなくなり、そろそろ枯れそうになっている。

撮影:9月24日

 記  平成29年10月2日(月)

10月6日(金)
メリケンカルカヤ メリケンカルカヤの小花 ノガリヤス 葉の表裏転倒 ノガリヤスの花序

ノガリヤスの小花 丘の上で見たノガリヤス:葉の表裏が転倒しているようだ

10月6日(金)

 これはメルケンカルガヤになるのだろうか。最近このようなものが彼方此方で見られるようになった。毎年増えているような気がするので、かなり勢力が強いのかも知れない。この花を最初に見た時、オガルカヤかメガルカヤと思っていた。その内メリケンカルカヤの名前が出てきて、どれなのか混乱してきた。そこで、3つのについて調べてみた。

 

 保育社の原色日本植物図鑑によると、どれもウシクサ族であり、「小穂は異型、総の中軸は細く、明らかに小穂より幅が狭い」点は共通しているが、3つとも属が違っている。属が違うことは、3つはかなりの違いがあると予想できる。更にみて行くと、「オガルカヤ属とウシクサ属は登実小穂の第1苞穎は草質で、メガルカヤ属は登実小穂の第1苞穎は皮質」となっている。第1苞穎を見ることになると、かなり難しくなる。実物の観察が不十分なので、ここからは進めなくなってしまった。  この花を追及している途中、同じものを昨年調べた気がしたので、遡って記録を見た。記録では、この花を「メリケンカルカヤ」としていた。恐らく、今調べている花はメリケンカルカヤになると思うが、後日追及して見たい。

 

 資料:https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-1968.html

 

 チカラシバの近くに長く穂が伸びたものがあった。一見したところカゼクサのような気がする。その場では、カゼクサのままにしていた。近くの葉を1度は見たが、中肋が凸になっており、これは隣のチカラシバの葉ではないかと思って、長く穂が伸びたものの葉を確認していなかった。ところが、後になって写真を見て行くと、小花に長いノギがり、カゼクサの小花とは違っていることが判明した。これは、丘の上広場で見た小さな穂に似ている気がしてきた(資料1)。丘の上の広場で見たものはノガリヤスであった。確認のため、再度ノガリヤスについて調べてみた。

 下記の資料1で検索してみた:

 資料https://01hana.blog.fc2.com/blog-entry-2426.html

 

 牧野新日本植物図鑑でノガリヤスのページを広げると、同じようなものが幾つも掲載されていて、簡単には解決できる問題ではなくなった。何を糸口にしていいか、皆目わからない状態になってしまった。それぞれの解説を読んで行くと、背丈の面からヒメノガリヤス、山地の面からイワガリヤス、ミヤマノガリヤス、カニツリノガリヤス、ヒゲノガリヤスが該当しないように思えてきた。残されたものは、ノガリヤスとサイトウガヤの2つに絞られた。資料2をはじめ、幾つかの資料には、サイトウガヤはノガリヤスの別名になっている。牧野新日本植物図鑑をもう1度見直すと、「葉は表裏転倒し・・・長さが30㎝~50㎝、幅3㎜~5㎜・・・」とあった。また、資料3を見ると、葉の表裏転倒の写真が掲載されていた。そこで、撮影した写真を見直してみた。注意して葉の写真を撮った訳ではなかったが、表裏が転倒しているところが見つかった。

 

 資料2:http://mikawanoyasou.org/data/nogariyasu.html

 

 資料3:http://nannjyamonnjya.blog68.fc2.com/blog-entry-1785.html

 

 穂を見ると、中軸から出た枝が2つに分かれ、それぞれの先に小穂が1つずつ付いている。小穂の様子が分かるような写真を撮らなかったので、詳細は分からない。牧野新日本植物図鑑で「小穂は1つの小花からなり細長い」と説明されている。小穂には1つの小花しかないのだから、小花の詳細が分かるような写真でなかったことが分かった。小花の先には長い1本のノギがある。  今調べてきた、チカラシバの近くに長く穂が伸びたものはノガリヤスに落ち着くと思う。ノガリヤスの葉が細長いということから、「丘の上で見たのは本当にノガリヤスになるのか」という疑問を感じた。その時の葉について、「葉は幅が広く、長さが短い」という印象があった。そこで、前の写真を振り返って見直した。葉の長さ7㎝、幅7㎜の記録がある。葉は短いが、幅の印象は事実とは違っていた。葉についてもう1点、表裏の転倒を見直すと、明確ではないが、その様な傾向が感じられた。

撮影:9月24日

 記  平成29年10月3日(火)

10月7日(土)
アメリカセンダングサ アメリカセンダングサの花 休憩所があったところ ヒヨドリバナ ヒヨドリバナの小花

トダシバの小花 トダシバの小花 ススキの穂 ススキの小花 タケニグサの果実

ヤブマメ ヤブマメの花

10月7日(土

 ノガリヤスの近くにアメリカセンダングサがあり、花を咲かせていた。パークセンターの広場で見ることが出来なかたが、何とか希望がつながった。アメリカセンダングサの葉は細長く、鋸歯が鋭い。また花を見ると、花の下の総苞が放射状に長く伸びている。センダングサの仲間で、アメリカセンダングサだけにはこのような目立った特徴がある。

 

 右の崖にトダシバが沢山咲いている。ここには以前休憩所があり、藤棚があった。それが昨年の工事で一掃されてしまった。ここの休憩所は、三ツ池公園内でも高台にあり、眺望がよく、気の休める休憩場であった。また、一寸した山間の雰囲気が味わえたところでもあった。今は自然から遠ざかった景色になり、残念だ。

 

 斜面を下りて行くと、右側の土手にヒヨドリバナが散在していた。ヒヨドリバナは大柄な草本で、沢山の花を付ける。多くのものは、花の重みで茎が傾いている。花を見ると、1つの花は小花が数個集まってできている。その小花の雌しべの柱頭が長く伸びているのがこの花の特徴である。

 

 この土手のトダシバを見ると、穂が紫色を帯びていた。若しかしたら花が咲いているのではと、よく見た。今まで何カ所かでトダシバを見てきたが、花は見て来なかた。ブラシ状の雌しべ、葯を付けた雄しべが確認できた。

 ススキの穂を見ると、花が咲き出しているようだったので、小花を拡大して見た。小花の基からたくさんの毛が出ており、小花の先には曲がった長いノギが出ている。しかし、小花から雄しべや雌しべが出ていないので、未だ咲いていないようだ。

 池沿いに進んで行くと、右の土手のタケニグサに大きな房が下がっていた。これがタケニグサの果実だろうか。今までタケニグサの果実をよく見ていない。タケニグサの果実は蒴果と言われ、乾燥すると、蒴が裂けて種子が放出されるという。

 コマツナギが見えた。先日も咲いているのを見たが、思っていた以上にコマツナギの花期は長いようだ。南門近くの草原にヤブマメの花が見えた。つる性なので、どこから出ているのか辿って行くのが難しい。葉は、幅が広く円形に近い形をしている。花はつるから出た花序の先についている。一見筒状の花に見えるが、名前の通り、マメ科の蝶形花である。青紫色をしているのは旗弁で、竜骨弁、翼弁は白色をしている。確かに蝶形花である。

撮影:9月24日

 記  平成29年10月4日(水)

​-